「なつかしの香港映画ブログ」少林寺の寺男イーロン(ジャッキー・チェン)が「五獣の拳」をマスターし、拳法界の制覇をもくろむ男と対決するカンフー映画。「五獣拳の精」と一緒に強敵と戦うシーンが楽しい内容です。
1.イーロン(ジャッキー・チェン)
幼い頃から少林寺で暮らしている寺男(寺院で雑役をする人)。いつも何かをやらかして罰を与えられているイタズラ者。女の子を見たことがない。「五獣拳の精」からカンフーを習う。
(暗い内容が多かったカンフー映画を明るく楽しいものに。『ドランクモンキー 酔拳』『プロジェクトA』『スパルタンX』ほか。)
2.フェンツ(ウー・ウェンシウ)
「拳法界の盟主」の娘。イーロンとカンフーで競い合う、気が強い子。
3.ウェイウー(リー・マンチン)
少林寺の師範代。殺人容疑で寺から追われるハメに。
(『成龍拳』『蛇鶴八拳』『カンニング・モンキー 天中拳』などジャッキーのカンフー映画の常連)
4.五獣拳の精
「龍の拳」は神精、「蛇の拳」は心、「虎の拳」は力、「鶴の拳」は意識、「豹の拳」は勢い。ボロボロの教本から飛び出した精。イーロンをおちょくるなどイタズラ好きな五人組。
5.ルーツァオ(ジェームス・ティエン)
「拳法界の主」になる野望を持つ男。「七殺拳」の秘伝書を入手し、ライバルたちを消していく。
(『ドラゴン危機一発』『死亡遊戯』『カンニング・モンキー/天中拳』『五福星』『ファースト・ミッション』などブルース・リー、ジャッキー映画でおなじみ。ちょっとズルそうな表情のせいなのか、悪役や裏切る役を演じることが多い)
6.少林寺館長(李桐春)
「七殺拳」の秘伝書が盗まれ、さらに寺で人が殺され、責任を痛感。自らを謹慎処分する。
7.少林寺副館長(李海龍)
アップで見るとかなり迫力がある人。盲目だが、まるで見えているかのようにイーロンのイタズラに気付く。物を投げて正確にヒットさせるシーン、ルーツァオを問い詰めるシーンに注目されたい。
(『カンニング・モンキー天中拳』では「神州警備保障の隊長」を演じた)
8.ウェイシン
少林寺で起こる出来事に目を光らせている。
①コメント
「五獣拳の精」がユーモラスな作品。白塗りの「拳精」たち。しゃべることができないため、身振り手振りでイーロンにカンフーを伝える。「イーロン」はヘンな奴。僧侶ではないため少林寺で気ままに暮らす。ろくに修行もしてこなかったのに「拳精」には素直に従って(異常な早さで)強くなっていく。「ルーツァオ」は残酷な男。「七殺拳」を大いに悪用。イーロンとの二度に渡る対決が見せ場。「拳法界の主の娘」はなかなかカワイイ子。この子もイーロンと二回勝負。どんな結末になるか? 「副館長」はアップで見ると迫力。イーロンには笑顔で厳しく接する。『少林寺木人拳』にも「盲目の高僧」が出てきますが(李笑叢)、この映画の李海龍とは別人(でも似てる)。「館長」は『志村けんのバカ殿様』に出てるときの桑野信義に似ている。寺で次々に事件が起こって悩む役どころ。他にも、イーロンと同じ寺男の役でディーン・セキ(「香港の喜劇王」)、「拳法界の主」(日本語吹き替えの声は『ルパン三世』「次元大介」の小林清志)、高僧の役でリー・マンチン(『カンニング・モンキー天中拳』では師匠役)、「化け物」にビビリまくる僧侶役でリー・クン、イーロンと戦う十八羅漢陣の皆さん、少林寺に侵入して「七殺拳」の秘伝書を盗む凄腕の賊、ほか。カンフー、修行、ユーモラスな妖精、個性的な少林寺の人たちが見せ場の名作です。
②ちょっとした情報
シリアス路線でジャッキーを売り出したいロー・ウェイ。完成した『カンニング・モンキー 天中拳』を酷評し、お蔵入りに。「コメディ映画制作の基本を教えちゃる」とばかりにロー自ら制作したのがこの『拳精』。個人的にはどちらも傑作だと思うが、ジャッキーは『拳精』を嫌っている。日本版にはない未公開シーンもあり、ネットでたまにそのシーンを見かけることも。日本版主題歌「チャイナ・ガール」とTV版日本語吹き替えは古いファンには大人気。
(注目ポイント)デカくて重い筆で写経させられるイーロン、盲目の副館長、白塗りの「五獣拳の精」、ディーン・セキや『ドラゴン危機一発』のリー・クンが出演しているシーン、女の子とカンフー対決、十八羅漢陣との戦い、「イーロン vs. ルーツァオ」「イーロン vs. 黒幕」、主題歌「チャイナ・ガール」
「Fortune Star Media」が提供する予告編(YouTube)
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