なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『スパルタンX』(1984年:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン)

「なつかしの香港映画ブログ」三人の青年がスペイン貴族の相続争いに巻き込まれるアクション映画。移動レストラン「スパルタン号」&戦い。ストーリー、注目のシーンを紹介。

1.ストーリー
三人の中国人青年がスペイン貴族の相続争いに巻き込まれる。

2.キャスト
ジャッキー・チェン(青年)
ユン・ピョウ(いとこ)
サモ・ハン・キンポー(探偵)
ローラ・フォルネル(女)
ポール・チャン(叔父)
ベニー・ユキーデ(ギャング)

3.注目のシーン
①スペイン
世界を股に掛ける「香港ビッグスリー」。今回はスペイン。観光名所はもちろんのこと「この世の地獄」みたいな怖い所まで登場。ジャッキーらとスペイン旅行をしている気分になれる映画。

②主役
スペインに住むトーマス(ジャッキー・チェン)とデヴィッド(ユン・ピョウ)は「いとこ」の関係。パン屋の2階に下宿し、早朝トレーニングではトーマスはちょいと手抜きする。傾いた探偵事務所の助手モビー(サモ・ハン)は個性的なパーマ頭(見た目で笑いを取るサモ・ハン。『探偵物語』の松田優作のマネ?)。事務所の所長が逃げてしまい(昼間でも「夜逃げ」?)モビーが所長代理を務めることに。そこへある紳士から「グロリアとその娘シルヴィア」を捜して欲しいという依頼。手がかりは古~い写真だけ。できるかそんなもん、と断りたいところですが、仕事を選べる立場じゃないモビー(失業したらスペインに滞在できなくなるらしい)。多額の経費に釣られてグロリアとシルヴィアを捜すことに。

③「スパルタン号」
トーマス&デヴィッドが経営する移動レストラン「スパルタン号」。メニューはなかなか充実。コーラ、ミルクコーヒー、チャーハン、ホットドッグ、ハンバーガー、春巻など(春巻は1コ70ペセタ)。調理はデヴィッドが担当。トーマスはスケボーで注文をとり、お客に商品を届ける役目。しっかり者のデヴィッド。お客に苦情。「春巻きはおごれないよ」(赤字になりますから)。

④アクション
「香港ビッグスリー」がギャング&貴族と戦うラストが一番の見せ場。ジャッキーの相手はマーシャルアーツのベニー・ユキーデ。ユン・ピョウはキース・ヴィタリ。サモ・ハンはスペイン貴族。カンフー、フェンシングに注目。他にも「スパルタン号」でのカーチェイス、サンシェード(日よけテント)を使ったアクション、トーマス&デヴィッドが街を荒らす連中にキックを食らわすシーンが迫力&コミカル。

⑤笑い
「香港ビッグスリー」の個性で笑いを取るサモ・ハン監督作品。トーマスはちょっとズルいところがある。デヴィッドはドジな「メガネキャラ」。モビーは強いけどハプニングでエラい目に遭う役どころ。カーチェイス中にモビーが「スパルタン号」から落下するなど、アクションシーンの場合でも「笑い」が入っているのがサモ・ハン作品のいいところ。特別出演のリチャード・ン、ジョン・シャム、ウー・マ、ポール・チャンらが笑いを取る珍シーンもあります。

4.感想
今回の舞台はヨーロッパ。三人の中国人がどんな活躍を見せるか? 何と言っても「スパルタン号」が楽しい映画。豊富なメニュー。お客が使うイスも非常時には武器になります。ストーリーは「偶然が重なって、事件が解決されていく」というもの。サモ・ハン映画らしい、やや強引な内容。ほとんど手がかりがないのに目当ての人物を見つけるモビー。恐ろしく優秀な奴。モビーが捜す「グロリア」とその娘「シルヴィア」。シルヴィア役のローラ・フォルネルはなかなかの美人さん(1979年の「ミス・スペイン」だとか)。『五福星』シリーズではマジメな役だったユン・ピョウ。今回は「メガネキャラ」で笑いを取る役どころ(ユン・ピョウがメガネを掛けて出演する場合は「お笑い担当」であることが多い)。キャラ、格闘、コメディ(特にモビーがドジを踏むシーン)、個性的な演出(この世の地獄「掃きだめ」、「車が頑丈だから命びろいした」という三菱車の宣伝)、エンディングの「NGシーン」。日本のファンにはテレビ放送時の吹替も人気。「香港ビッグスリー」全盛期の名作です。

「Fortune Star Media」が提供する予告編(YouTube

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