なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『ファースト・ミッション』(1985年:ジャッキー・チェン、サモ・ハン)

「なつかしの香港映画ブログ」知能に問題がある兄と刑事の弟によるドラマ&アクション映画。美女エミリー・チュウ、ギャングとの対決。ストーリー、注目のシーンを紹介。

1.ストーリー
苦労が多い兄弟が仲間に助けられながら生きていく。

2.キャスト
ジャッキー・チェン(刑事)
サモ・ハン・キンポー(兄)
エミリー・チュウ(恋人)
ユン・ワー(同僚の刑事)
ラム・チェンイン(特警隊指揮官)
ジェームズ・ティエン(宝石窃盗団のボス)

3.注目のシーン
①兄弟
ジャッキーとサモ・ハンが兄弟役。実際に彼らは子供の頃から一緒だったため、この役作りはそれほど難しくはなかったのでは? ただし、「兄弟」といってもちょっとワケあり。兄デブゴン(サモ・ハン)はもうすぐ三十才だが、知能に問題がある。弟ジャッキー(ジャッキー・チェン)は兄の世話をしながら刑事の仕事をこなす日々。そんな二人が事件に巻き込まれてしまう。

②仲間
兄弟を温かい目で見守るジャッキーの同僚(ユン・ワーら)、ジャッキーの恋人ジェニー(エミリー・チュウ)。彼らのサポートにより兄弟は孤立せずに済んでいる。宝石窃盗団にさらわれた兄を助けようとする弟。同僚が武装してフォロー。

③悪役
香港警察が追っている宝石窃盗団。ボス(ジェームズ・ティエン)は狡猾な男。手下(ディック・ウェイ、チュン・ファット)は荒っぽい連中。ブツ(盗品)を無くした窃盗団がデブゴンを誘拐。警察に降伏した手下との交換をジャッキーに要求。

④アクション
オープニングの戦闘シーン、病院でのジャッキーと犯罪者の戦い、駐車場でのジャッキーら刑事たちとチンピラグループのケンカ、カーチェイス、建設現場での壮絶な戦い、が主なアクション。この映画は「ワケあり」で、香港公開バージョンはドラマ部分が中心の内容になっているのに対し、日本公開版では日本のファンの好みに合わせてアクションシーンを追加撮影したという。また、カーチェイスのシーンは元々は『ポリス・ストーリー/香港国際警察』用に撮影されたものと言われている。

⑤笑い
家族が障害を持っているというシリアスな内容。そのため「笑いのシーン」でもあまり笑えない。ジャッキーの恋人や同僚たちは優しいが、世間の連中は冷酷。デブゴンをバカにする家庭教師、食堂の店主、レストランの支配人。結局笑えるのはオープニングの戦闘シーンで敵(ジャッキー)が接近しているのに気付かず撃たれる男、建設現場での戦いでドジって全く活躍できなかった男、ぐらいか。

4.感想
泣けるシーンがある名作。サモ・ハンが知能に問題がある兄デブゴン、ジャッキーが悩める弟(刑事)を演じる。デブゴンが宝石泥棒の疑いをかけられたことから刑事の弟&仲間が犯罪組織と大乱戦に。80年代の香港映画を代表するメンバーが出演。ジャッキーの恋人「ジェニー」役のエミリー・チュウは『男たちの挽歌』でもおなじみ。ジャッキーの上官でスゴイ眉毛の特警隊指揮官はラム・チェンイン(『霊幻道士』シリーズ)。「駐車場でのケンカ」に登場するチンピラグループも結構有名な人たち(リー・ホイサン、チウ・チーリン、フォン・ハックオン、『ドランクモンキー 酔拳』の鉄頭の男サン・クワイなど)。態度が悪いチンピラ(タイ・ポー)。イヤミな家庭教師(アンソニー・チェン)。意地が悪い食堂の店主(ウー・マ)。デブゴンが笑いモノにされるシーンはやっぱり悲しい。「簡単な英単語」を教えるだけで一時間50ドルの授業料をとる家庭教師(「偉そうに、このバカ」なんてヒドいセリフ)。食堂の店主はデブゴンにみっともないマネをさせて楽しむ(世の中、そんなもんですか?)。でもラストは「デブゴンとジャッキーの笑顔」でハッピーエンド。激しいアクションも見せ場。過激なアクションシーンの撮影では、犯罪者(チュン・ファット)が二階から落下するシーン、手榴弾で建設現場から悪党たちが落下するシーンで負傷者が出るアクシデント。音楽も充実。ジャッキーが歌うオープニングテーマ曲「CHINA BLUE」、ラストの「TOKYO SATURDAY NIGHT」。エンディングにユン・ピョウがチラッとだけ登場。キャラ、アクション、ユーモラスな演出、泣ける演出、テーマ曲がそろった名作です。

「Fortune Star Media」が提供する予告編(YouTube

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