なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『続・少林寺三十六房』(1980年:リュー・チャーフィー、惠英紅、江島)

「なつかしの香港映画ブログ」インチキ坊主が少林寺で修行しようとするカンフー映画。染め物工房でのトラブル、変わった修行、サンダ和尚。ストーリー、注目のシーンを紹介。

1.ストーリー
ふざけてばかりの青年が「染め物工房の労働問題」をカンフーで解決しようとする。

2.キャスト
リュー・チャーフィー(青年)
李擎柱(サンダ)
惠英紅(工房の職人)
江島(工房の監督)

3.注目のシーン
①主役
リュー・チャーフィー演じる「チェンチェ」が笑いとカンフーを見せる映画。ある染め物工房で職人たちが突然の賃下げに戸惑います。職人の兄貴が困っている、というので見た目が坊主っぽいチェンチェが少林寺のサンダ和尚になりすましてその問題に介入。一度は工房の監督らを騙すことに成功しますが、二度目はそうはいかない。みんなが見てる前で腕の立つ連中にしばかれます。そこでチェンチェは少林寺でカンフーを習うことに・・・。

②悪役
この映画の悪役は「染め物工房の親方」とその手下たち。何ともスケールが小さい話。キャラ的にも人相が悪くてカッコよくない感じ。工房の監督役の江島(「えじま」という日本人、ではなくて中国人)は『クローン人間ブルースリー 怒りのスリードラゴン』などの台湾系カンフー映画でよく見かける人。手下役の權永文は珍作『ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳』『ジャッキー・チェンの醒拳』でラスボス役を務めた男。

③キャスト
女子職人役で惠英紅(「香港の中山美穂」)。『七福星』、『霸王花』シリーズでおなじみの美人さん。サンダ役は李擎柱。『燃えよドラゴン』『ポリス・ストーリー/香港国際警察』といった有名作にチョイ役出演している(らしい)。

④アクション
チェンチェはヘナチョコなインチキ坊主。これじゃイカン、ということで少林寺で修行。謎の修行メニューをサンダから与えられます。下山して、染め物工房の連中と再戦。どんな戦いになるか?

⑤笑い
チェンチェのヘナチョコぶりが楽しい映画。工房の監督にぶっ飛ばされたり、ヘンなヅラをかぶって少林寺にもぐりこんだり、インチキして修行メニューをクリアしようとしたり。そんなチェンチェを温かく見守るサンダ。チェンチェがインチキしたり頑張ったりするシーンがこの映画の見せ場。

4.感想
タイトルは『続・少林寺三十六房』ですが、ストーリー上は前作とはつながりはありません。しかし、「三十六房」を作ったサンダ和尚が出てますので前作の後日談、といった感じの映画です。リュー・チャーフィーはコミカルな雰囲気を持つ役者。この作品は彼の特徴を生かしたコミカルな内容になっています。主人公のチェンチェは坊さんのフリしてインチキな薬を売ったり、寄付金を騙し取るようなセコい奴。少林寺で修行しようとするけど、その修行もインチキしてクリアしようとする(どうしようもない奴)。でもサンダ和尚はスゴイ人。チェンチェがそういう奴だというのはお見通し。変わった修行(寺の修繕のための足場を組む作業)をさせて、チェンチェを鍛えてやります。しかし、チェンチェは何のためにサンダからいろいろやらされているのかわかってません。下山して初めて「修行の成果」に気付く。そして最後は染め物工房の連中と戦う。前作『少林寺三十六房』とは全く雰囲気が違う作品ですが、コミカルなチェンチェ、人格者のサンダ和尚が魅力的。「足場を組む作業」がカンフーの動きと同じだったためチェンチェが強くなった、というのは『ベストキッド』の風変わりな特訓でダニエルさんが強くなっていったのと似た演出。あのリュー・チャーフィーが変なヅラをかぶったり、インチキして修行をクリアしようとするシーンが楽しいオススメの傑作です。

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