なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『ファイティング・マスター』(1973年:ジャッキー・チェン)

「なつかしの香港映画ブログ」ジャッキーが悪の日本人にエラい目に遭わされるアクション映画。日中戦争時代を舞台にしたおなじみ「抗日映画」。若いジャッキーに注目です。

1.ストーリー
日本が中国に侵出し、民衆をいたぶる。

2.キャスト
ワン・チン(京劇役者)
ジャッキー・チェン(京劇役者)
リー・マンチン(一般市民)
龍子飛(日本軍・大佐)
ウォン・サム(裏切り者)

3.注目のシーン
①主役
1937年、日本が中国を侵略。京劇の劇団を率いるトン(ワン・チン)の楽屋に日本兵らが乱入。禁止されている芝居を行ったことでトンらを罰しようとするが、トンと若い団員チー(ジャッキー・チェン)らが日本兵を殺害。トンらは追われる身となってしまった。

②悪役
日本人が悪役の抗日映画。例によって日本人役のほとんどが中国人(そんなにいつまでも日本人を悪者扱いしたいのか?)。逃亡したトンたちを捕らえるために検問をし、カツ上げ、婦女暴行などまさに何でもアリの日本兵(残忍かつ色魔)。日本の司令官の命令で大佐(龍子飛。日本人風の顔立ち)、伍長(韮原光雄。ちょっと高倉健に似ている)がトンを追い詰める。そんな日本人をフォローする中国人チュン(チャン・ナン)は意地汚く、卑劣な奴。 

③キャラ
トンとチーはカンフー使いで腕が立つが、チーはまだまだ未熟。トンは優しい男で、病気に苦しむ車夫のじいさん(ホー・リーヤン)を助ける。じいさんの孫娘チュウ(ユン・チウ)はそんなトンを密かに愛する。じいさんらと暮らすリー(リー・マンチン)、教師の孟は妻と共に日本兵に襲われる気の毒なポジション。トンの逃亡をカネで請け負う案内人(ウォン・サム)はあまり信用できないツラ構え。

4.感想
日本では劇場未公開。ジャッキーは主役ではありません。ビデオ化された時の邦題は『ジャッキー・チェンのファイティング・モンキー/昇龍拳』。『ドランクモンキー 酔拳』のようなタイトルですが、中身は暗い内容(全く楽しくない)。悪の日本人に中国人が対抗するおなじみの内容(ブルース・リー『ドラゴン怒りの鉄拳』がヒットしたため同じような内容で儲けようとする香港・台湾映画界。そのために日本人はいつまでも「憎たらしい奴ら」扱いされることに)。しかしながら、結局のところカンフー映画ですから。悪役がいて、対抗するヒーローがいて。それだけの話。マイナーな作品ですが、意外にも顔なじみの人たちが多数登場。それなりに見せ場アリの作品。見所は、売れる前のジャッキー(何とも地味な顔。アクションシーンはまずまず)、楽屋での戦い、日本兵の検問、チュンが大佐らを女(秋野暢子みたいな顔の女も)でもてなすシーン、ホステスとモメるトン(この軽はずみな行動がとんでもない結果に)、「チーvs.伍長」、拷問されるチー(水責めされるジャッキー。身体を張った演技)、夜道で襲撃されるチーとチュウ、汚いワナ、「トンvs.大佐」の決着戦(崖、池での戦い)。

チャン・ナン倉田保昭『帰ってきたドラゴン』では田舎町を牛耳るボス役。
ホー・リーヤン:『燃えよドラゴン』『死亡の塔』でブルース・リーの父(?)を演じた。
ワン・チン:『拳精』では悪役「ルーツァオ」の側近役、アランタム『魔界天使』ではヘンな死に方をするギャングの組長役。
リー・マンチン:ジャッキーのカンフー映画でおなじみ(師匠役、少林寺の師範役など)。
ウォン・サム:『Mr.Boo!ギャンブル大将』ではマイケル・ホイを追いかけ回すバクチ屋の親分を演じた。
ユン・チウチャウ・シンチーカンフーハッスル』で強い大家夫婦の妻役。

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