「なつかしの香港映画ブログ」少林寺の青年が悪党から「木棉袈裟」を命懸けで守ろうとするカンフー映画。主人公とヒロインの愛と戦い、悪役の執拗さに注目です。
1.ストーリー
朝廷の兵隊「錦衣衛」を率いる男が少林寺を傘下に入れるため、「木棉袈裟」を奪って部下を寺の大僧長の座に就かせようとする。
2.キャスト
フー・ファンドン(少林寺の青年)
リン・チューピン(馬賊の娘)
ユー・ロングァン(錦衣衛のカンフー使い)
3.注目のシーン
①悪役
明の時代。朝廷の兵隊「錦衣衛」を率いるウォン・チェン。皇帝には内緒で密かな野望を持つ。少林寺を敵視し、支配下に置く意向。部下のチー・ヒャイアン(ユー・ロングァン)に少林寺の大僧長と戦わせ、その地位を奪う計略。
②主役
武当拳を使うヒャイアンはなかなか強い。しかし、結局は汚い手段で勝利。大僧長になるには「木棉袈裟(カボック・カサヤ:達磨大師が残した「聖なる衣」)」が必要だが、大僧長は弟子のヒュイ・チー(フー・ファンドン)、フェー・ツーに命じて「木棉袈裟」を法華寺に預けようとする。二人は錦衣衛に追われながら寺に向かうが・・・。
③馬賊
錦衣衛に襲撃されてボロボロになったヒュイ・チー。馬賊に助けられ、命拾い。馬賊のリーダーには娘が複数いるが、美しいカンフー使い。長女リン・イン(リン・チューピン)は馬の扱いが上手く、ヒュイ・チーに以前に会った時に好感を持ったため彼を保護。しかし、そのことで「錦衣衛と少林寺の争い」に巻き込まれてしまう。
④キャラ
ストーリー上の主役は「ヒュイ・チー」。しかし、悪役とヒロインらの方がインパクト。悪役の錦衣衛は邪悪でしつこい(少林寺に対する敬意はまるで無し)。ヒャイアンの師匠・道長(武当拳の達人)は悪の道に走ったヒャイアンを軽蔑し、「お前のような弟子は知らん」と突き放す。馬賊の長は男気のある立派な人物。しかし、そのせいで悲劇が。
4.感想
マニアックなカンフー映画。昔、『少林寺 怒りの大地』としてテレビ放映されたため、マニアックなファンに強く支持されています。内容はどこかで見たような感じ。悪役が少林寺に圧力を掛け、女性カンフー使いも参戦して大勢の悪役と対決。それってリー・リンチェイの『少林寺』(1982年)、『少林寺2』(1984年)なのでは? どうやら、この二つの映画のエエところをパクって制作されたようです(違う?)。また、「大僧長の地位」をカンフーの腕だけで奪い取ろうというのはかなり強引な陰謀(大僧長になるには仏法の知識や人柄が必要)。そういったツッコミどころがある映画。出演者はよく知らない役者ばかり(個人的に)。武当拳を使う「チー・ヒャイアン」演じるユー・ロングァンはジャッキー・チェンとの共演でおなじみ(『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年)、『ベスト・キッド』(2010年)、『ポリス・ストーリー/レジェンド』(2013年))。カンフーアクションは見応えアリ。キャラ的には「馬賊の強く、美しい女性たち」が魅力。武当拳の師匠・道長も「正義の人」で良かった。ストーリー的には『少林寺』シリーズに似ていますが、迫力のあるシーンがちゃんと入っています。見所は、ウォン・チェンの企み(「少林寺を乗っ取ってしまおう」という考え方。その必要があったか、甚だ疑問)、「チー・ヒャイアン vs. 大僧長」(シリアスなシーンであるにもかかわらず、大僧長が灰をかぶってしまうシーンには思わず笑ってしまった)、「錦衣衛の軍勢 vs. 少林寺」、炎に包まれて入滅、錦衣衛のしつこい追跡、「チー・ヒャイアン vs. 師匠・道長」、ヒュイ・チーの修行(武当拳、伝授)、あくまで抵抗する少林寺(牢に入れられても戦おうとする僧たち)、寺での乱戦、涙の別れ。
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