なつかしの香港映画ブログ

黄金期の香港面白映画を紹介。Amazon公式サイトでショッピングも楽しめます。

なつかし香港映画:『慕情』(1955年:ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデン)

「なつかしの香港映画ブログ」香港の女医がアメリカ人の新聞記者と不倫の関係になる恋愛映画。古い香港の街並み、当時の価値観、愛の行方に注目です。

1.ストーリー
香港の女医が既婚者であるアメリカ人の新聞記者から求婚されて・・・。

2.キャスト
ジェニファー・ジョーンズ(女医)
ウィリアム・ホールデン(新聞記者)
イソベル・エルソム(理事夫人)
ジョージャ・カートライト(旧友)
カム・トン(医師)

3.注目のシーン
①主役
香港の女医ハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は英国と中国のハーフ。それがコンプレックスであるが、何とかそのことを誇りに思おうとする。夫を国共対立で亡くした過去。今では医師として忙しい毎日だが、ある男からの誘いに心が揺れる。

②男
世界中を旅するアメリカ人の新聞記者マーク・エリオット(ウィリアム・ホールデン)。妻がシンガポールにいるが、6年間も会っていない。それを伏せてスーインをデートに誘うが、スーインはマークが既婚者であることは先刻承知。その後も二人は密会を重ね、マークは離婚してスーインと再婚しようとする。

③キャラ
スーインが勤務する病院の理事ハンフリー・パーマー=ジョーンズ(トリン・サッチャー)はマジメな顔して妻に秘密を持っている。理事夫人アデライン(イソベル・エルソム)はスーインの不倫に不快感を示すが、自分の問題には気づいていない。スーインの旧友スザンヌ(ジョージャ・カートライト)もまたスーインと同じハーフで、自由を満喫しているつもり。中国人の医師セン(カム・トン)は愛国心があり、スーインと中国で一緒に仕事することを期待する。他に、スーインのおじ一家や妹、マカオの怪しい占い師。

4.感想
原題「Love Is a Many-Splendored Thing」(愛とは輝きに満ちたもの)は1955年のアメリカ映画(主題歌も同タイトルで、有名)。しかしながら、香港が舞台で香港の古い街並みがたくさん見られますので「香港映画」として御紹介。共に過去があり、寂しい思いをしている男女が惹かれ合う話。既婚者の男が「妻と別れて君と一緒になりたい」などとホザいて女を誘うのはよくあるパターン。大概、女と楽しみたいだけで、実際には離婚する気などないという。このマーク・エリオットもそういう奴なのかどうか。それにしてもカッコいい男はいいですね。既婚者であっても自信タップリに女を誘う。女もハンサム(イケメン)には弱い弱い。最初は既婚者からの誘いに躊躇していたスーインも何度も誘われるうちに二人で舞い上がった状態に。そのことを不快に思う人もいれば、友人として励ます人も。二人の愛の行方、周囲の反応に注目されたい。見所は、古い香港(港の風景、町と多くの看板、手漕ぎ船)、難民と香港、デート(ドライブ、レストラン、マカオのホテル)、おじ一家との交流、ウソくさいマカオの占い師(砂と虫で占い。見料は高め)、朝鮮戦争勃発、解雇(ハーフに対する偏見)、訃報。

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なつかし香港映画:Amazonストアフロントに専用ショッピングサイトを作りました

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なつかし香港映画:倉田保昭「香港での名声と苦労」

倉田保昭

戦後間もない1946年〈昭和21年〉3月20日生まれ。小学生の時から空手を習い、高校では柔道も。大学時代には合気道をマスター。日本でドラマ、映画出演。香港映画会社「ショウ・ブラザーズ」のオーディションに合格し、香港映画デビュー。香港では主に悪役として活躍。倉田が重宝された理由は「ハイキック」。カッコよく蹴りができる役者が当時の香港では少なかった。ブルース・リャンと共演した『帰ってきたドラゴン』(1974年)はこの頃の作品。「和製ドラゴン」として凱旋帰国。『闘え!ドラゴン』、千葉真一の『直撃! 地獄拳』、志穂美悦子『女必殺拳 危機一発』『必殺女拳士』といった東映カラテ映画に出演。1975年5月24日にスタートしたTBSドラマ『Gメン'75』に「草野泰明刑事」役。アクション映画の世界へ戻ることを希望して自ら降板。これによって日本では仕事ができない(干された)状態に。

復帰
仕事がない状況で香港の知り合いから連絡。「今、何してるの?」の会話がキッカケで、かねてからの知り合いであるサモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェンと日本で再会(どうやら『香港発活劇エクスプレス 大福星』での日本ロケの時らしい)。三本契約で香港映画出演。『七福星』出演以降、チョウ・ユンファ、ジェット・リー、ドニー・イェン、ルイス・クーといった錚々たるメンバーと共演(まさに大復活)。

エピソード
1. 高倉健に憧れたのが芸能界入りの理由。

2. 台湾で多くの作品を撮ったが、税金トラブル。ギャラをもらっていなかった倉田はカネが無く、ジミー・ウォングの勧めで船で逃亡することに。これに失敗。税金を払うために反社系の映画にも出演するハメに。

3. ジミー・ウォングは用心深い男で、常に反社会的勢力の襲撃を警戒していたという(狙われる理由があったのだろう)。

4. ブルース・リャンは精力が強すぎて鼻血をよく出していた(体を鍛えていたことと蛇のスープで精力アップ)。ある撮影で反社を殴ったが、後日、背中を切りつけられて大怪我。

5. 『燃えよドラゴン』のムキムキマン、ヤン・スエは中国から逃げてきた過去。ボディガードをしながら俳優に(『ロッキー3』のミスターTと同じ)。倉田との共演がキッカケで『Gメン'75』出演。

6. ブルース・リーとは『ドラゴン怒りの鉄拳』の撮影現場で面会。握手をしたところ、凄い握力だったとか。ヌンチャクをプレゼントし、『怒りの鉄拳』にヌンチャクを使うアイデアが取り入れられた。しかし、リーがヌンチャクを使ったのはそれが初めてではなかった(アメリカ時代に『グリーン・ホーネット』で既に使用)。

7. 『Gメン'75』の香港ロケのすぐ近くでジャッキー・チェンが『ドランクモンキー 酔拳』の撮影。ケガの苦痛を訴えるジャッキーを励ました。

8. サミュエル・ホイと親しい。マイケル・ホイとも面識。

9. 広東語は正式に習っていないため、未だに難しく感じるそうだ。

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なつかし香港映画:呉思遠「ジャッキー・チェンをスターにした男」

呉思遠とは? 
日本語では「ン・シーユエン」「ウー・スーユェン」と呼ばれる男。香港映画を大きくしたプロデューサー。この男がいなかったら、あの楽しかった70、80年代の香港映画は無かったかもしれない。監督として『帰って来たドラゴン』『ブルース・リー 死亡の塔』、プロデューサーとして『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』を制作。『帰って来たドラゴン』では倉田保昭とブルース・リャンの伝説の戦い、『死亡の塔』では僅かなブルース・リーの未使用フィルムを使って個性的な演出を見せ、『蛇拳』でジャッキーを人気スターに(続く『酔拳』でジャッキーは日本でもスターになった)。

対談
YouTubeでの呉思遠と倉田保昭のトークは必見。何かとややこしかった香港映画界。あるカンフー作を作るとき、カンフー界の重要人物に挨拶をしてから制作。その人物によると「制作前に挨拶してくれてよかった。そうでなければ面倒なことになっていただろう。」とのこと(挨拶が無かったら上映を妨害されるそうだ)。また、香港では人気スターの奪い合いもあるらしく、出演交渉に手間もカネもかかるそうだ(ロー・ウェイの下でくすぶっていたジャッキー。ブルース・リーはローにイライラさせられた末にローを殴ったことがあるそうだが、ジャッキーもまた売れない状態が続いたことでローにイラついていた。呉思遠と組んだことでジャッキーはスターになったが、ローとの契約は続く。ローとの関係悪化。そしてそのことが黒社会の介入を招き、ジャッキーはジミー・ウォングに借りを作ることになってしまった。その結果、制作されたのが『ドラゴン特攻隊』『炎の大捜査線』。また、ローはジャッキーに去られた怒りから『ジャッキー・チェンの醒拳』を勝手に制作。これらの作品は評判が悪いが、ジャッキーの見せ場がちゃんと入っているのが救いか)。

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倉田保昭が語る『七福星』

『Gメン75』を自分から降板したことで日本では仕事がない状態に(「干される」というのが本当にあるのが芸能界。なかなかダークな世界)。そんな倉田が『七福星』に出演。それが実現できた理由は?  動画では撮影時の苦労、サモ・ハン、ラム・チェンイン、アンディ・ラウ、ゴールデン・ハーベストの撮影所についても語っています。

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なつかし香港映画:『蛇猫鶴混形拳』(1980年:マース、ティエン・ニウ、シー・キエン)

「なつかしの香港映画ブログ」食堂の青年が元囚人の復讐劇に巻き込まれるカンフー&コメディ映画。ウケ狙いの演出、有名俳優、男のフリする女に注目です。

1.ストーリー
友人がいない孤独な青年が男の格好をした女とその祖父からカンフーを習い・・・。

2.キャスト
マース(青年)
ティエン・ニウ(男装の女)
シー・キエン(女の祖父)
ウォン・チェンリー(元囚人)
リンダ・リンイン(元囚人の姉)

3.注目のシーン
①主役
食堂で働くアソイ(マース)は孤独な青年。どんくさいため周囲からバカにされている。そんなドジ男が魚を売りに来た「妙な男」からカンフーを習うことに。

②妙な男
その「妙な男」は男の格好をした女で、名は亜蘭(ティエン・ニウ)。理由はよくわからないが「商売をする際に女だと軽く見られてしまう」のが男装をしている動機らしい。アソイが町で痛めつけられているところをカンフーで助け、アソイから店の料理を提供してもらう見返りにカンフーを伝授する。

③悪役
10年間も服役したシーファー(ウォン・チェンリー)。カンフーを悪用し、強盗、誘拐、殺人の過去。亜蘭の祖父チョウ(シー・キエン)に倒されて牢屋送りになったことを逆恨みし、チョウに復讐を誓う。

④キャラ
チョウは老人だが、棒術の達人。シーファーの姉(リンダ・リンイン)は復讐をやめさせようとするが、シーファーは言うことを全く聞かない。アソイが働く食堂の地主ウォン(フォン・ギンマン)は嫌な奴で、ボディガード(チウ・チーリンほか)に守られて実に偉そう。カンフー道場の主は棒術の達人だが、イヤミな性格。弟子の前でアソイを棒でぶちのめす。道場主の息子(ジャン・ジン)は意地の悪いデブチンで、アソイに嫌がらせの挑発。町で「ヨーロッパ美女」なる見世物を商売にしている男はインチキ野郎で、ボディガード(リー・チュンホワほか)に守られてセコいカネ儲け。

4.感想
ジャッキー・チェンとの共演でおなじみマースの主演作。ハッキリ言ってダサいマース。主役のガラじゃない。内容は『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』を足したコメディタッチなもので、「弱い男が鍛えて強くなり、強敵と戦う」というもの。出演者も両作品に登場する人が多い。ただ、大物シー・キエン、男装の女が登場するオリジナリティなところも。こういうパクり的な映画はウケ狙いの演出が「楽しいもの」であるかどうかがポイント(個人的には微妙だった印象。マースはやはり脇役が似合う)。見所は、どんくさいアソイ(地主や道場主とのトラブル、ヤバい奴にも一歩も引かない鈍感さ)、相変わらずやられっぷりがいいチウ・チーリン、アソイの修行、町のインチキ商売人たち、女子トイレで騒動、ウォン・チェンリーとリンダ・リンインの対決(『ドランクモンキー 酔拳』では見られなかった注目の勝負)、アソイの戦い、チョウとシーファーの因縁の対決、結末。日本版ソフトがリリースされていないのが残念に思えるほど豪華なキャストに注目です。
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なつかし香港映画:『ブラック・リスト』(1972年:チェン・シン、チャーリー・チャン)

「なつかしの香港映画ブログ」犯罪者にワナを掛けられて服役した男が復讐を狙うアクション映画。主人公の怒り&強さ、悪党たちの末路、女性キャラに注目です。

1.ストーリー
犯罪者にワナを掛けられて6年間服役した男が出所後、弟と共に復讐を始める。

2.キャスト
チェン・シン(兄)
于洋(弟)
チャーリー・チャン(犯罪者)
サン・クワイ(犯罪者)
方野(犯罪者)

3.注目のシーン
①主役
犯罪者にワナを掛けられて6年間服役したロン(チェン・シン)。出迎えの弟フー(于洋)から母が殺されたこと、恋人のメイ(ルイーズ・リー)は今ではロンを陥れた男の妻となっていることを聞き、怒りでいっぱいに。

②悪役
ロンをハメた連中。6年前、宝石を盗んだ四人組ドン(方野)、ハン(サン・クワイ)、クイ(チャーリー・チャン)、マー(チェン・ユアン)が結託し、窃盗の罪をロンに着せた。ドンとロンは友人関係だったが、卑劣なドンにはメイをロンから奪うというロンを陥れる目的があった。今では四人組も結婚を控えていたり、家族があったりで幸福な気分を味わっているが、ロンの怒りに怯える立場に。

③キャラ
ロン&フーの兄弟、四人組はいずれもカンフー使い。四人組は犯罪者との関係が深く、仲間も大勢。フーの恋人、リー(施明)はロンの復讐に協力。メイは夫ドンに脅される苦しい立場。他に、クラブのバーテン役でリー・マンチン(ジャッキー・チェンの初期カンフー作での「師匠役」でおなじみ)、あばずれな女たち。

4.感想
有名俳優が登場するアクション作。内容はわかりやすい「復讐モノ」。強いロン。四人組も結構強いのですが、ロンといい勝負ができるのはドンだけのような感じ。アクションシーンはまずまずといったところ。それにしても卑劣なドン。いちいち憎たらしい表情しやがって。方野とかいう俳優は役だけではなくてホンマに悪い奴とちゃうやろな。こういうタイプの映画は悪役が卑劣であればあるほど話が盛り上がりますが、悪党が悪辣すぎてウンザリな気分にもなります。見所は、クラブやビリヤード店での乱闘、捕まってピンチ、悪党たちの最期。「悪い奴は幸福にはなれない」という教訓を描いた内容。地味な作品ですが、ハードボイルドがお好きな方にオススメ。しかし、日本版ソフトがリリースされていないのが残念。

サン・クワイ:『ドランクモンキー 酔拳』の「鉄頭」
チャーリー・チャン:『プロジェクトA2 史上最大の標的』でギャングのボス役
チェン・ユアン:未完成の『死亡遊戯』でブルース・リーと共に塔で戦う男の役
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なつかし香港映画:『戦国水滸伝/嵐を呼ぶ必殺剣』(1971年:ジミー・ウォング)

「なつかしの香港映画ブログ」気ままに生きるヤリ使いが反乱活動に関与していく時代劇映画。ウォング演じるキャラクター、その戦い、結末に注目です。

1.ストーリー
凄腕のヤリの名人が「打倒、元朝」を目指すグループと出会い・・・。

2.キャスト
ジミー・ウォング(ヤリの名人)
チャオ・チャオ(食堂経営者)
游龍(食堂経営者の弟)
楊洋(反乱グループのリーダー)
苗天(元朝の副将軍)

3.注目のシーン
①主役
元が中国を支配していた時代。ヤリの名人ルン・タイ(ジミー・ウォング)は「白龍」とも呼ばれ、一人で気ままに生きてきた。そんな男がリーチン(游龍)という少年と出会い、人生が大きく変わっていく。

②悪役
中国を支配するモンゴル人&元に協力する中国人。モンゴル人は粗野で、横暴な振る舞い。近頃では「打倒、元朝」を目指す反乱グループの摘発に力を入れており、反乱派のウェンが持つ「竹筒」を奪おうと狙っている。それには反乱グループのメンバーの名が書かれた書状が隠されている。

③キャラ
ルン・タイは自信家で、筋を通す男。リーチンは目が見えないフリをして通行人から金銭を物乞いする日々だが、「竹筒」を手に入れたことでモメ事に巻き込まれていく。リーチンの姉ヤン(チャオ・チャオ)は食堂を経営するが、モンゴル人の振る舞いにウンザリ。反乱グループのリーダー、トン(楊洋)は父がルン・タイに敗れたことを恨んで、凶器でルン・タイを傷つける。元朝は副将軍(苗天)、タイ将軍、金豹、キン・フーといった連中が「竹筒」を捜し、その邪魔をする者は皆殺しの意向。

4.感想
日本でも公開された剣術アクション作。ジミー・ウォングが好んで演じそうな主人公の戦いが見せ場。ヤリの名人ルン・タイはジャンプ力も凄まじく、地面から高い屋根までほぼ垂直にジャンプすることができる。無敵の男で、「これまで他人に謝ったことがない」そうな。そんな男が背中を負傷し、本来なら負けない相手に大苦戦。ルン・タイ、反乱グループ、元朝派、一般人にすぎない姉弟の運命は? 見所は、「ルン・タイ」というキャラ、冒頭の対決(ヤリvs.剣)、ウェンの死闘、元朝派の連中が使う武器(特殊な形状。鎖&鉄球、仕掛けがある剣、ほか)、ルン・タイとリーチンの旅、「ルン・タイvs.トン」、「ルン・タイ&トンvs.元朝派」の一連の戦い。「孤高の戦士」ルン・タイの戦いが魅力の作品ですが、日本版DVDがリリースされていないのが残念です。
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