なつかしの香港映画ブログ

香港映画の見所を紹介するブログ。リンクも楽しめます

なつかし香港映画:『少林寺 激怒の大地』(1985年:フー・ファンドン、リン・チューピン)

「なつかしの香港映画ブログ」少林寺の青年が悪党から「木棉袈裟」を命懸けで守ろうとするカンフー映画。主人公とヒロインの愛と戦い、悪役の執拗さに注目です。

1.ストーリー
朝廷の兵隊「錦衣衛」を率いる男が少林寺を傘下に入れるため、「木棉袈裟」を奪って部下を寺の大僧長の座に就かせようとする。

2.キャスト
フー・ファンドン(少林寺の青年)
リン・チューピン(馬賊の娘)
ユー・ロングァン(錦衣衛のカンフー使い)

3.注目のシーン
①悪役
明の時代。朝廷の兵隊「錦衣衛」を率いるウォン・チェン。皇帝には内緒で密かな野望を持つ。少林寺を敵視し、支配下に置く意向。部下のチー・ヒャイアン(ユー・ロングァン)に少林寺の大僧長と戦わせ、その地位を奪う計略。

②主役
武当拳を使うヒャイアンはなかなか強い。しかし、結局は汚い手段で勝利。大僧長になるには「木棉袈裟(カボック・カサヤ:達磨大師が残した「聖なる衣」)」が必要だが、大僧長は弟子のヒュイ・チー(フー・ファンドン)、フェー・ツーに命じて「木棉袈裟」を法華寺に預けようとする。二人は錦衣衛に追われながら寺に向かうが・・・。

馬賊
錦衣衛に襲撃されてボロボロになったヒュイ・チー。馬賊に助けられ、命拾い。馬賊のリーダーには娘が複数いるが、美しいカンフー使い。長女リン・イン(リン・チューピン)は馬の扱いが上手く、ヒュイ・チーに以前に会った時に好感を持ったため彼を保護。しかし、そのことで「錦衣衛と少林寺の争い」に巻き込まれてしまう。

④キャラ
ストーリー上の主役は「ヒュイ・チー」。しかし、悪役とヒロインらの方がインパクト。悪役の錦衣衛は邪悪でしつこい(少林寺に対する敬意はまるで無し)。ヒャイアンの師匠・道長武当拳の達人)は悪の道に走ったヒャイアンを軽蔑し、「お前のような弟子は知らん」と突き放す。馬賊の長は男気のある立派な人物。しかし、そのせいで悲劇が。

4.感想
マニアックなカンフー映画。昔、『少林寺 怒りの大地』としてテレビ放映されたため、マニアックなファンに強く支持されています。内容はどこかで見たような感じ。悪役が少林寺に圧力を掛け、女性カンフー使いも参戦して大勢の悪役と対決。それってリー・リンチェイの『少林寺』(1982年)、『少林寺2』(1984年)なのでは? どうやら、この二つの映画のエエところをパクって制作されたようです(違う?)。また、「大僧長の地位」をカンフーの腕だけで奪い取ろうというのはかなり強引な陰謀(大僧長になるには仏法の知識や人柄が必要)。そういったツッコミどころがある映画。出演者はよく知らない役者ばかり(個人的に)。武当拳を使う「チー・ヒャイアン」演じるユー・ロングァンはジャッキー・チェンとの共演でおなじみ(『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年)、『ベスト・キッド』(2010年)、『ポリス・ストーリー/レジェンド』(2013年))。カンフーアクションは見応えアリ。キャラ的には「馬賊の強く、美しい女性たち」が魅力。武当拳の師匠・道長も「正義の人」で良かった。ストーリー的には『少林寺』シリーズに似ていますが、迫力のあるシーンがちゃんと入っています。見所は、ウォン・チェンの企み(「少林寺を乗っ取ってしまおう」という考え方。その必要があったか、甚だ疑問)、「チー・ヒャイアン vs. 大僧長」(シリアスなシーンであるにもかかわらず、大僧長が灰をかぶってしまうシーンには思わず笑ってしまった)、「錦衣衛の軍勢 vs. 少林寺」、炎に包まれて入滅、錦衣衛のしつこい追跡、「チー・ヒャイアン vs. 師匠・道長」、ヒュイ・チーの修行(武当拳、伝授)、あくまで抵抗する少林寺(牢に入れられても戦おうとする僧たち)、寺での乱戦、涙の別れ。
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なつかし香港映画:『疾風!! 少林寺十三拳士』(1980年:チャン・キンチョン)

「なつかしの香港映画ブログ」北宋の青年が金国から御印を奪取し、少林寺を争いに巻き込むカンフー映画。主人公、悪役、洞窟の酔っぱらいといったキャラに注目です。

1.ストーリー
1126年、北宋と金国が争う時代。「御印」をめぐって両派が争い、北宋の青年が金国から御印を奪取。負傷した青年を女性、そして少林寺が保護したことによって少林寺は金国から圧力を掛けられる。

2.キャスト
チャン・キンチョン(北宋の青年)
シュン・ハイロン(北宋派の娘)
ジア・ホイ(洞窟の酔っぱらい)
ルン・クーンモウ(少林寺の大師)
アラン・シュー(金国)

3.注目のシーン
①主役
舞台は1126年。北宋と金国の時代。「御印」を所持する金国(「御印」とは「皇位を象徴する印鑑」のこと。どうやらこれを持つ者が「正統な皇帝」ということらしい)。北宋の青年、萬雲龍(チャン・キンチョン)が金国の楚猛(アラン・シュー)を仲間と共に襲撃し、「御印」を奪取。しかし、仲間は全て殺され、自身も重傷。死にかけていたところ町の娘、白姑娘(シュン・ハイロン)に助けられる。そして少林寺に保護され、カンフーを学ぶ決意。

②悪役
戦乱の時代、ということで北宋と金国のどちらが正しいとは言えない状況。しかし、金国が残酷かつ横暴なところがあるため、映画的には金国が悪者。「御印」を奪った萬雲龍を保護する少林寺に圧力を掛ける金国の楚猛(白い尻尾みたいなのを帽子の横に着けている。悪役ながら「カワイイ女子」みたいな格好で、思わず笑ってしまう)。大勢の軍勢で少林寺になだれ込む。

③キャラ
雲龍はシリアスな役どころ。しかし、少林寺での修行でインチキして次のレベルに進もうとするなどちょいと妙なところがある奴。少林寺の方丈大師(ルン・クーンモウ)は「寺は争いごとに荷担しない」という基本を貫こうとするが、最後はキレる。少林寺の洞窟で謹慎させられている酔っぱらい男、瘋師父(ジア・ホイ)はカンフーの達人。実力は方丈大師と同じくらいで、萬雲龍は弟子入りしようと洞窟へ。萬雲龍を助ける白姑娘は助けたことによって悲しいことの連続。涙が止まらない様子。他、少林寺の十三棍僧(しかし、今はメンバーが欠けて12人)、楚猛の手下、北宋の将軍、白姑娘の家族ら。

4.感想
このブログは「なつかしの香港映画ブログ」なのですが、『疾風!! 少林寺十三拳士』は台湾の作品。かつてはロケーションの関係で台湾や韓国で撮影されることが多かった香港映画。香港スターが出ている、ということで台湾カンフー映画も紹介しています。この映画の出演者は(個人的に)知らない人ばかり。武術指導としてフォン・ハックオン(悪役でおなじみ。香港の蟹江敬三)が参加しているとか。昔、レンタル店にはよくわからんカンフー映画ビデオが置いてありまして、「知っているスターが出ていない作品は取り敢えず保留」といった感じでレンタルしませんでした(金銭的な理由も。当時、レンタル代は高めだった)。この『疾風!! 少林寺十三拳士』はそんな作品の一つだったような気がします(このビデオが店に置いてあったかどうかはハッキリしませんが)。内容は正統派でシリアス。戦乱の時代。少林寺は結構な戦力を持つ、ということで金国は少林寺を味方につけようとしますが、少林寺は「中立」の立場。しかし、萬雲龍を保護して金国を敵に回す結果に。その結末は? 見所は、難しい立場に追い込まれる少林寺、「御印」をめぐる戦い、「少林寺 vs. 楚猛の手下」、瘋師父の腕前(カンフーの動きをしながら酒を作る、など)、萬雲龍の修行(出家して「塵海」に改名)、白姑娘のピンチ&救出に向かう塵海(萬雲龍)、町での「少林寺 vs. 楚猛の手下」(油に放火)、洞窟で特訓、裏切り&助っ人、少林寺での決着戦。笑いのシーンが少な目で、華やかさに欠ける映画。ただ、アクションはキレがあって良かった。マイナーすぎるためかDVD化されていないのが残念なところです。
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なつかし香港映画:『ドランクマスター 酒仙拳』(1979年:ロン・シージャー、サイモン・リー)

「なつかしの香港映画ブログ」マヌケな二人組が酔拳の師匠に鍛えられて悪の地主と対決するカンフー映画。二人組のキャラ&恋愛、何かと邪悪な悪党に注目です。

1.ストーリー
どんくさい泥棒二人組が酔拳の達人に捕らえられて・・・。

2.キャスト
ロン・シージャー(泥棒)
サイモン・リー(泥棒)
チェン・ウェイロー(酔拳の達人)
ロン・フェイ(悪の地主)
ユエン・シャオ・ティエン(酔拳の達人)

3.注目のシーン
①三十年前
うさんくさい青年ファン(ロン・シージャー)とソカシ(サイモン・リー)。市場でブドウとミカンを売るが、互いにライバル視。お客を相手に取られまいと値下げして最後はタダで商品を配る(バカ)。その頃、ブドウ畑では作物が盗まれる被害。畑で働く男が二人を怪しむが、証拠が無い。夜にコッソリ畑に侵入するファンとソカシ(やっぱりコイツらが犯人だった)。酔拳の達人チャン(チェン・ウェイロー)に捕まり、働いて損害を返すことに。バカながら頑張る二人組。性格も悪くない。チャンを二人を見込んで酔拳を伝授する。

②悪役
酒造工場の土地を所有するイエ・フー(ロン・フェイ)。チャンの弟子(ファンとソカシ)に家宝の盃を壊されたから、自分の屋敷を建てたいから、という理由で酒造工場に急な立ち退き、およびチャンの引き渡しを要求。それを拒否した工場主らに暴行。チャン、ファン、ソカシ、女性作業員ユールー(ジャニー・チャン)の4人がイエ・フー軍団に対抗。イエ・フーと部下チン(ロン・ティエンション)は腕が立ち、手下どもは弓矢を使って闇討ちする厄介な連中。占い師みたいな奴もいる。

③現在
イエ・フーと戦った後、別々の道に進んだファン&ソカシ。三十年後に懐かしの再会。しかし、ファンには敵が多く、行く先々でチャレンジャーが待ち構える。どうやら平穏に暮らせる日は来ないようだ。

④カンフー
冒頭に『ドランクモンキー 酔拳』でおなじみユエン・シャオ・ティエンが登場し、酔拳の型を披露(特別出演)。チャン師匠は酔拳、ファン&ソカシはタッグで戦うタイプ(カンフー版「藤波辰己&木村健吾」)、イエ・フーは腕っぷしが強いタイプ(太めの木材を軽くへし折る)。

4.感想
カンフー映画の佳作。日本では有名でない人たち(?)が出演。しかしながら、映画ファンにはあまり評判がよろしくないようです。ユエン・シャオティエンが冒頭にちょこっとしか出演していないのが不満なのだとか。また、主人公がジャッキー・チェンと比べてやや地味なキャラなのもマイナスらしい。「ファン」を演じたロン・シージャーは若い頃の宮内洋の雰囲気。ソカシ役のサイモン・リーはアイドル系の顔立ち。決してダメな役者ではありません。内容はカンフー映画の王道。へなちょこな奴が修行。あっという間に強くなる。危険な敵と命懸けで対決。合間合間にベタな笑いのシーン。悪役は人相が悪い。個人的にはヒロイン「ユールー」を演じたジャニー・チャンに注目(なかなかの美人さん)。『酔拳』と言えば「蘇化子(ソカシ)」ですが、この『ドランクマスター 酒仙拳』はその相棒だった范大杯(ファン・ダーペイ)がどちらかというと主役。チャン師匠から酔拳を習って以来、戦い続けるファンの人生に注目されたい。見所は、冒頭のユエン・シャオティエン、盗品を売って捕まるファン&ソカシのマヌケっぷり、つまらんことでケンカ、「ショバ代」を要求するチン、カンフーの修行(重いおもりなどを使う。キツい修行をサボろうとするのもカンフー映画ではおなじみ)、チャンにワナを仕掛けるイエ・フー&チン、工場での悲劇、山での決闘、三十年後の懐かしい再会、ファンを追ってきたチャレンジャー。ツッコミどころやベタな展開がありますが、見せ場がキッチリ入った映画です。

チェン・ウェイロー:『クレージーモンキー 笑拳』ではジャッキー・チェンに「笑拳」を伝授する役だった。

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なつかし香港映画:『五毒拳』(1978年:フィリップ・コク、スン・ジェン)

「なつかしの香港映画ブログ」暗殺拳「五毒門」出身の青年が兄弟子を捜すカンフー映画。兄弟子のカンフー、ややこしい人間関係、意外な正体、最後の決着戦に注目です。

1.ストーリー
暗殺拳「五毒門」派を閉鎖したい師匠が最後の弟子に後始末を託す。

2.キャスト
ディック・ウェイ(五毒門・師匠)
チャン・シェン(五毒門)
ルー・フェン(五毒門)
ウェイ・ペイ(五毒門)
フィリップ・コク(役人)

3.注目のシーン
①主役
悪事を働いてきたことにより武術界から嫌われている五毒門一派。師匠(ディック・ウェイ)は病気に罹っており、回復の見込みがない状態。最後の弟子ヤン・ドー(チャン・シェン)に「ある任務」を与える。それは「五毒門の宝」を入手し、世間に迷惑を掛けたお詫びとしてそれを寄付すること。もう一つは悪事を働く五毒門一派の者を一掃すること。

②5人の兄弟子
なかなか人間関係が複雑な映画。五毒門出身の5人の兄弟子を捜すため町に出たヤンだが、5人はそれぞれ偽名を使って正体を隠して生活している。しかも、兄弟子同士でも互いに正体を知っていたり、知らなかったり。そのためヤンは町で出会う人物を観察したり、物売りから情報を集めたりするが、ラストの方まで正体がわからないキャラも。キャラの説明をするとネタバレになってしまうため、「5人の名」だけを紹介。弟子入りの順から「ムカデ拳」のチャン・シャオティエン、「ヘビ拳」のチー・トン、「サソリ拳」のティン・ジエ、「ヤモリ拳」のブー・ティエンシア、「ガマ拳」のリアン・ション。

③キャラ
役人(警察)のホー(フィリップ・コク)とマー(スン・ジェン)。その上司にあたる「閣下」と呼ばれる男。他に、ヒゲの男、ずるがしこい男、ケチな遊び人、貧乏学者、牢の番人、物売りのオヤジ。誰が五毒門の兄弟子で、師匠の同期生(宝を預かっている男)なのか?

4.感想
チャン・チェ監督のショウ・ブラザーズ作品。ストーリー展開、5人の兄弟子の正体が見せ場であるため、あまり詳しく内容を説明できません(ネタバレ禁止)。「五毒拳」の使い手が登場する映画ですが、毒を使って戦うワケではありません(各個人の身体能力を生かした個性的カンフー)。「5人の兄弟子」は非常に腕の立つ連中。彼らを捜すためヤン・ドーは出会う人々を細かいところまで観察します。実に残念なことに5人の内の4人は「宝」を求めて残忍なことをします(カンフーを悪用)。未熟なヤン一人では5人の誰にも敵わないため、ヤンは兄弟子の中から「味方になってくれる人」を見つけなければなりませんが、できるかどうか? シリアスなカンフー劇。それに個性的な演出が入った傑作。ヒロイン的な女性が一切登場しない「男の映画」。見所は、師匠役のディック・ウェイ(若いのに老人役。熱湯風呂に入るシーンにも注目されたい)、5人の正体(互いに正体を知らない、という設定が話を盛り上げる、かもしれない)、「ムカデ拳」と「ガマ拳」の対決、「万針衣」(金色に光る拷問道具)、「紅背兜」(熱した鉄板による拷問)、留置所での出来事、ヤンと兄弟子の特訓、最後の決着戦(兄弟子4人にヤンが加わる決闘)。後にジャッキー・チェン『ヤング・マスター/師弟出馬』に出演するウェイ・ペイの役どころにも注目です。

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なつかし香港映画:『ドラゴン・アームズ/危険的刑事』(1988年:エレイン・チョウ)

「なつかしの香港映画ブログ」ギャングのボスに復讐を誓う三人が偶然再会するアクション映画。リュー・チャーフィーら有名俳優、狡猾な悪役、銃撃戦に注目です。

1.ストーリー
ギャングのボスに父親を殺された三人が偶然出会い、協力して復讐しようとするが・・・。

2.キャスト
リュー・チャーフィー(刑事)
リリー・リー(刑事)
テディ・リン(復讐者)
ラウ・シウクワン(復讐者)
エレイン・チョウ(復讐者)
レオン・カーヤン(馬主)

3.注目のシーン
①18年前
マヌケな三人の男たち。ギャングのボス、チュウ(チョウ・ダーワー)から大金を強奪。彼らの妊娠中の妻たちはカネ持ちになって大喜び。しかし、チュウが報復。残された妊婦たちは「18年後に復讐してやる!」と宣言。

②現在
相変わらずワルなチュウ。八百長競馬で馬主のイプ(レオン・カーヤン)とトラブル。その穴埋めとしてイプはチュウに武器取引をもちかけるがチュウは拒否。二人の間に抗争勃発。

③三人
あの妊婦たちの子が成長して密かにチュウを狙う。立場はそれぞれ別。リー(テディ・リン)は格闘と投げ矢でチュウを襲うが、上手くいかない。チョン(ラウ・シウクワン)はイプの子分であるが、荒っぽいことは苦手。スーチン(エレイン・チョウ)はチュウの息子シャが経営するレストランの女支配人として復讐のチャンスをうかがう。

④警察
リュー・チャーフィー演じる刑事(役名が出てこなかった)がリーダーを務める捜査班。勇ましい女刑事(リリー・リーほか)が中心となってチュウら組織犯罪者を追う。

⑤キャラ
シャはアメリカで電子工学を学んだ天才。しかし、ナマイキな奴で悪事も親譲り。ところがシャの子分二人組はどんくさい奴ら。他に、リーに車を奪われる男、警察に協力してエラい目に遭う女優フォン。

4.感想
復讐ものアクション作。何とも言えない映画。ツッコミどころがいっぱい。有名ではなく、VHSでリリースされたことがあるマイナーな作品。観たことがある人は少ないでしょうね。そのためあまりこの映画にツッコミを入れても観たことがない人にはわからないでしょう。『ドラゴン・アームズ』というタイトルからして意味不明(何が「ドラゴン」?)。悪役のチュウ(チョウ・ダーワー:『香港発活劇エクスプレス 大福星』(1985年)で警察部長を演じたオッチャン)。何でもアリの悪党、と思ったら、さにあらず。イプから武器取引をもちかけられて「そんなことはとんでもない!」と拒否(意外にマジメ?)。息子のシャはキレる男。最後に三人組と対決するのかと思ったら(そうではなかった)。また、何かの「版」(ニセ札の?)で悪事を企みますが、ストーリー的に特に意味は無かった(と思う)。他にも「死んだと思われた男」が実は生きていたり、女刑事たちがやたら暴力的でケバくて品が無かったり。リュー・チャーフィーはちょっとカンフーアクションをやってくれますが、メインキャラではありません。ストーリー的には「チュウへの復讐を狙う三人」が主役。しかし、リー&チョンはチンピラ風であまりカッコ良くありません。結局、この映画の一番の魅力はエレイン・チョウではないかと(かわいいタイプの女優さん)。見所は、オープニングの強盗シーン、リーの暗殺未遂、チュウの反撃(勘違いで他組織のボスを暗殺)、武器取引での銃撃戦、爆発シーン、トラック強奪、シャの「秘密の部屋」、養魚場での戦闘。ストーリーやキャラ設定に難がある珍作。エレイン・チョウ、個性的なシーンを楽しむのがオススメです。
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なつかし香港映画:『スカイホーク鷹拳』(1974)「オッチャンになっても強い黄飛鴻」

「なつかしの香港映画ブログ」あの黄飛鴻が弟子と共にある町で争いに巻き込まれてしまうカンフー映画サモ・ハン・キンポー、ノラ・ミャオといった豪華キャスティング。

幻の傑作
『ドランクモンキー 酔拳』でジャッキー・チェンが演じた「黄飛鴻」。オジサンになった黄飛鴻を描いたのが、この『スカイホーク鷹拳』。日本劇場未公開ですが、テレビ放送されました(1989年4月27日:フジテレビ「木曜映画劇場」)。観た人いますか? 録画が残ってたら最高なんですけどね。観たことないんです(残念)。

キャスティング
黄飛鴻を演じるのは關徳興(クワン・ダッヒン)。「飛鴻」役ではジャッキーより關德輝の方がずっと先輩(『ツーフィンガー鷹』(1981年)でも飛鴻を演じ、ユン・ピョウと共演)。目力がインパクトの役者で、いちいちポーズを取るのが特徴(思わず笑ってしまう)。サモ・ハン・キンポーは飛鴻の弟子の役。カーター・ワンは飛鴻に助けられる役どころ。コミカルな演技でおなじみのリー・クンはエラい目に遭わされるキャラ。ノラ・ミャオは何の役なんでしょうね? とびっきりの笑顔を見せてくれます。悪役はテコンドーの黄仁植(ウォン・インシック)。

ストーリー
広東からタイへやって来た高名な黄飛鴻。弟子と共に旧友チュウを訪ねる予定。しかし、チュウは悪党クーによって追い込まれている状況。悲劇が起こり、飛鴻は荒野で悪党どもと決着戦。

注目点
観たことない映画であるため何とも言えませんが、予告編の感じだと「黄飛鴻の戦い」に注目、といったところでしょうか? 棒術を見せるシーンが迫力。しかし、何度もバク転するシーンはちょっとヤリ過ぎ(誰が代役のスタントしたのだろう?)。キュートなノラ・ミャオ、いかにも強そうなウォン・インシック、当時はまだまだスターとは言えないサモ・ハン。『少林寺への道』でおなじみカーター・ワンはいつも熱い演技。ラム・チェンインも出てます。ソフト化されていない映画。日本版DVDがリリースされてほしい作品です。 

YouTube)予告編

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なつかし香港映画:『妖怪道士』(1983年:袁日初、袁祥仁、袁信義)

「なつかしの香港映画ブログ」酔っぱらい道士&魔術使いの青年が悪の「魔界大王」と戦う映画。珍シーン連発。個性的キャラ、不思議な術を使って戦うシーンに注目です。

1.ストーリー
ヘンな酔っぱらい道士と魔術一家の青年が協力し、悪事を企む「魔界大王」と戦う。

2.キャスト
袁日初(青年)
袁祥仁(道士と祖母の二役)
袁信義(悪役)

3.注目のシーン
①主役
主役は「不思議な術」を使う二人。代々魔術を継承する一家の一人息子である楊梅英(袁日初:香川照之っぽい顔)。一家の跡継ぎを作るため梅英は嫁を探す旅に。もう一人は酒好きの道士(袁祥仁:長い顔)。ある寺院に幽閉されている「魔界大王」(袁信義)が手下の手引きにより脱走。魔界大王に逃げられてお叱りを受けた酔っぱらい道士は大王逮捕を命じられる。偶然出会った梅英と道士。魔界大王と戦うことに・・・。

②悪役
凶暴な「魔界大王」。ミスった手下を容赦なく始末する危険人物(袁信義は『ツーフィンガー鷹』でも凶暴男の役だった。演技ではなくホントにヤバイ奴?)。太陰剣を手に入れて張大師を始末したい魔界大王。そのためには「9人の男の血」が必要だという(よくわからん理屈。「張大師」って誰?)。その「9人の男」の一人としてターゲットになってしまう楊梅英。

③キャラ
面白キャラで笑わせる映画。「酒好きの道士」と「楊梅英の祖母」は袁祥仁の二役。梅英にホレて追いかける女は魔界大王の兄弟分の娘。キレイな女だけど彼女には大きな悩みが。「兄弟分」は高雄(コー・ハン:『チャンピオン鷹』ではユン・ピョウの叔父の役だった)が演じています。

④笑い・演出
ヘンなキャラ、魔術、美女、コメディの映画。アイデアをたくさん詰め込んだ「観客を喜ばせる努力」を感じるよくできた作品。キャラ(ヘンな顔、危ない顔、わざとらしいオーバーアクション、美女、ほか)、魔術(炎を使ったり、人形を使って変装したり)、梅英と祖母のコミカルなやりとり、魔界大王の手下が大王を逃走させるシーン、道士のヘンな車(どういう仕掛けで動くんだろう?)、兄弟分が使う「炎の技」、食堂でのコミカルなシーン、梅英とインチキ大道芸人の勝負、「釘の道」と「炎の棒」、道士&梅英がケ○で大王の手下と戦うシーン、道士と女のやりとり(いやらしい道士に女が怒るシーンがユーモラス)、梅英が大王(「鉄の輪」を使ったアクションを見せる)や兄弟分と戦うシーン、などオススメのシーンが盛りだくさん。

4.感想
タイトルが『妖怪道士』。でもキョンシーは出てきません(出てますか?)。日本では知られていない(?)マイナーなキャスティング。しかしながら、愉快なアイデアが満載の傑作。かつてVHSでリリースされましたが、日本版DVDは出ていません(残念)。中古VHSを見つけたら是非入手してください。珍キャラが笑いとアクションを提供するオススメ作です。
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