なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『燃えよデブゴン』(1978年)「主な出演者」と「注目ポイント」

「なつかしの香港映画ブログ」田舎から香港に出てきた「デブゴン」がヘンな連中とトラブルに。サモ・ハンブルース・リーのマネをしながら敵と戦うアクション・コメディ映画。横山ノック(?)にも注目です。

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1.ロンサモ・ハン
田舎で豚飼いをやっているデブゴンな青年。ブルース・リーが憧れ。香港で屋台をやっている叔父さんが人手不足ということで、『燃えよドラゴン』風に船に乗って香港へ。
ジャッキー・チェンの先輩。ブルース・リーとも交流があり、『燃えよドラゴン』に出演。『燃えよデブゴン』シリーズ、『五福星』シリーズが代表作)
2.叔父さん(馮峰:Fung Fung)
ロンの叔父。料理の腕は確かだが、路地の奥まった所に店があるため、手前にある同業者に客を取られることも。
(出演作多数の大ベテラン。口が曲がっている。『新Mr.Boo!アヒルの警備保障』では「不機嫌な自動車講習教官」を演じた。『ヤング・マスター/師弟出馬』『ドラゴンロード』ほか)
3.カオ(陸柱石:Luk Chu-Sek)
叔父の店の店員。美術を学んでいるため、贋作を作れ、と犯罪者から脅される。
(日本未公開作に出演)
4.チン(李海淑:Lee Hye-Sook)
叔父の店の常連客。レストランに勤めている。ドジなロンとは気が合う様子。
(日本未公開作に出演)
5.総支配人(ウォン・ウェイ)
チンが勤めているレストランの総支配人。買ったばかりの新車をロンに台無しにされてしまう。
(『プロジェクトA』の悪徳商人「チョウ」役で有名。『群狼大戦』では部下に裏切られる悲惨な役を演じた)
6.悪徳商人ロイ・チャオ
美術品のニセモノでインチキな商売をしている男。カオに贋作作りを強要するチンピラたちはこの男の手下だ。
(『燃えよドラゴン』でブルース・リーの師匠の役だった人。この作品ではその時とは大違いのズルい悪役)

7.パイ教授(楊群:Peter Yang Kwan)
骨董品の収集家。古美術に詳しい、横山ノックな男。その知識・評判を悪用して悪徳商人と組んで商売をしようとしている。屈強な三人のボディガードに守られて、邪悪な欲望を満たそうとするが・・・。
ジャッキー・チェン『プロテクター』では「水上百貨店を営む男」を演じた)
8.ボディガー(レオン・カーヤン、リー・ホイサン、デヴィッド・ニック)
パイ教授を守る男たち。最後はロンと勝負。
(レオン・カーヤン:『モンキー・フィスト 猿拳』『ツーフィンガー鷹』でユン・ピョウと共演。『燃えよデブゴン6 豚だカップル拳』ではサモ・ハンと戦う、貫禄タップリの役だった。リー・ホイサン:カンフースター。コミカルな演技が得意。『プロジェクトA』シリーズでの悪役ぶりが印象的。デヴィッド・ニック:出演作は少ない。何者なのだろう?)
9.カンフースター(梁小熊:Tony Leung Siu-Hung)
ブルース・リー。リー気取りで大きな態度。それにイラッときたロンが彼に真剣勝負を挑む。
(鍛えられた体。カンフー映画に多数出演。『燃えよドラゴン』にも出ているそうな)
10.チンピラ(ユン・ピョウほか)
叔父の店で無銭飲食をしようとするセコい連中。暴力で代金を踏み倒そうとする。香港警察はこういう連中を野放しにしているようだ。
(ユン・ピョウら、香港映画でおなじみの人たちがチンピラ役で登場。どこかで見たことがあるような気がする顔、知らない奴、など。一人一人の顔を見るのも楽しい)

コメント
サモ・ハンブルース・リーのモノマネを見せる映画。いちいちリーのような表情とポーズを見せるロン。『燃えよドラゴン』というよりも『ドラゴンへの道』風に悪人たちを叩きのめす。リーには似てないけど、その努力がユーモラスな感じ。ヒロインのチンは妙に色気がある。そのヒロインを狙う「パイ教授」は引くほどヘンな奴。女性にコンプレックスがあり、ヘンな手段を使ってチンをモノにしようとする。「カンフースター」もなかなか面白い。リーの死後、「リーのソックリさん」による映画がたくさん制作されましたが、それをおちょくる演出。インチキなブルース・リーがぶっ飛ばされるシーンに注目。上記以外のキャラでは、チンの友人(カワイイ系の女性)、叔父さんの店の隣で営業する同業者(林建明:Meg Lam Kin-Ming。『燃えよデブゴン カエル拳対カニ拳』では「女スリ」の役だった)、「偽ブルース・リー映画」で武術指導をする男(ウォン・ハー:『ドランクモンキー 酔拳』でジャッキー演じる「ヒコウ」に張り倒される役でおなじみ)、カオを脅すチンピラ(フォン・ハックオンほか)、など。カンフー、ギャグ、妙なキャラが楽しい名作です。

ちょっとした情報
伝説の映画。「全てはここから始まった」といった感じ(大袈裟?)。これ以降、香港映画の大物サモ・ハンが日本では「デブゴン」呼ばわりされることに。サモ・ハンが出演している作品は軒並み「燃えよデブゴン」シリーズ化。ユン・ピョウが主演の『モンキー・フィスト 猿拳』もフジテレビで放送されたときは『燃えよデブゴン5』だった。日本では1981年10月に劇場公開(そのときの映画チラシはユーモラスなデザイン)。1983年6月11日、フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」で放映(水島裕の吹き替え)。さらに面白いことに「女デブゴン」なんてのも登場。『ドラゴン酔太極拳』(1984年)という作品が1985年7月1日にTBS月曜ロードショーで『女デブゴン強烈無敵の体潰し!!』として放映された。2020年にはドニー・イェン主演の『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』なる作品。タイトルは「燃えよデブゴン」だが、サモ・ハンのものとは全く違う内容(リメイクですらなかった)。それなのに日本版DVDがリリースされていない『燃えよデブゴン』(VHSで昔リリースされた)。「水島裕の吹替版」でまたテレビ放送して欲しい作品の一つ。

注目ポイント
「デブゴン」というキャラ(日本の映画関係者が名付けた? 太っていて、ちょいとドジなキャラにピッタリなアダナ)、個性的なキャラ(悪徳商人、パイ教授、顔が曲がった叔父さん、など)、偽ブルース・リーブルース・リーの死後、「ブルース・リ」「ドラゴン・リー」など複数の「偽ブルース・リー」が登場。それをパロディにしたキャラ。サモ・ハンにぶっ飛ばされるシーンが楽しい)、ユン・ピョウ(売れていない頃はチンピラ役が多かった、とか)、ギャグ(格闘シーン、デブゴンがやらかすコメディシーンが売り物の映画)、「デブゴン vs. パイ教授のボディガード」。

YouTube)trailer

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