なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:ブルース・リーのすべて「『死亡の塔』関連情報:前編」(15)

「なつかしの香港映画ブログ」リーの死後に「未公開映像」で制作された問題作『死亡の塔』について(未使用フィルム、代役、キャスト、対決シーン)(前編)。

『死亡の塔』(1980年:The Tower Of Death)
(内容)
日本人格闘家と兄が相次いで急死した謎を解くため、弟が日本に乗り込む。

未使用フィルム
格闘シーンの撮影では多くのNGが出ます(ジャッキー・チェンは納得いくまで何度も撮り直すことで有名。その分、膨大な未使用フィルムが発生)。「リーの未公開映像がまだあるのでは?」というファンの期待に応えようとしたのがこの『死亡の塔』。監督は呉思遠(『ドランクモンキー 酔拳』(1978年)の製作者)。当初、『死亡遊戯』の未使用フィルムで製作する予定だったという。しかし権利関係で不可。『燃えよドラゴン』の未使用フィルム、少年時代のリーの出演作『細路祥』『雷雨』といった過去作を使って製作されることに。

代役
「『燃えよドラゴン』の未使用フィルム」といってもそのシーンが登場するのはごくわずか。「ブルース・リー主演」とはとてもいえない内容。しかもリーの役である「ビリー」は前半の約30分ほどで死亡。「リーの出演シーン」のほとんどは代役が務めている。代役を演じるのはタン・ロンという韓国人。ブルース・リーの熱心なマニアで、『死亡遊戯』にも代役で出演。「タン・ロン」こと金泰靖は中国語が話せなかったということで、撮影現場では静かな態度。身振り手振りで指示を受けながら撮影に臨んだという。

キャスト
日本人格闘家「チンクー」役のウォン・チュンリー(『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』でおなじみ。アクシデントでジャッキーの歯を蹴り折った)は、「ビリー・ロー(ブルース・リー)の友人」という役どころ。チンクーから習ったカンフーを悪用する西洋人「ルイス」役でロイ・ホラン(『スネーキーモンキー 蛇拳』でもウォン・チュンリーと共演)。他にもチンクーに挑戦するカラテマン(グラハム・レイヴィ)、ビリーに挑戦する韓国の格闘家(カサノヴァ・ウォン)、カンフーの師匠(ロイ・チャオ)&弟子(ユン・ピョウ)、西洋美女(ミランダ・オースチン)、片腕の男(ト・ワイウォ)などが作品を盛り上げます。

格闘シーン
珍妙な演出が多い映画(それはそれで楽しい)。しかしながら格闘シーンはかなりの迫力。チンクーとビリーが格闘家から挑戦されるシーン(カサノヴァ・ウォンが出てくる「温室の決闘」(サモ・ハンが武術指導したシーン)は香港では『死亡遊戯』の方に使われました)。銀座のクラブでの戦い&路上での戦い。寿司屋にクルマが突っ込む演出は個性的&迫力。「死亡の塔」での戦いは迫力&コミカル。(「死亡の塔」に隠れている)黒幕を守る「塔の番人」役でタイガー・ヤン、リー・ホイサン。ヤンはヘンなターザンスタイル&ぼっちゃん頭。ホイサンは不気味なスキンヘッド。倒され方がどちらもどこかしらコミカルだった。

(予告編:YouTube

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