なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:ブルース・リーのすべて「『死亡の塔』関連情報:後編」(16)

「なつかしの香港映画ブログ」リーの死後に「未公開映像」で制作された問題作『死亡の塔』について(演出、日本版&韓国公開版、エピソード)(後編)。

演出
燃えよドラゴン』の未公開シーン&過去作の流用で製作された『死亡の塔』。リーの代役、弟役としてタン・ロンが頑張る映画。個性的な演出、妙な演出がいっぱい。ブルース・リーのつもりで演技するタン・ロン。顔はもちろんのこと、髪型もリーとは違うため、リーっぽい演技が滑稽に見えます。ストーリー上の細かい矛盾や謎も多い映画。「あれは何だったんだろう?」とかアレコレ想像しながら鑑賞できるのがこの映画でいいところ(かもしれない)。

「死亡の塔」とは?
「肩すかし」が目立つ傑作。タイトルでもある「死亡の塔」。一体どんな「塔」なのか? 日本で「死の宮殿」と呼ばれる豪邸に住んでいるルイスという西洋人。広大な土地を所有し、庭でライオンを飼っている。ビリー・ロー(ブルース・リー)の弟ボビー(タン・ロン)がルイス邸を訪問。ルイスは朝食には「鹿の生肉」を食べ、「鹿の血(吹き替えバージョンでは「鯉の血」)」を飲むジビエな男。伝説の「死亡の塔」についてボビーに説明。何百年も前に建てられたが見た者はいない、とのこと。それなのにそのすぐ近くの寺に宇宙服みたいな服を着た奴が突然現れます(目立つ格好)。ボビーがその周辺にいる怪しい雰囲気の奴を見張ってたら怪しい入り口が。ここがウワサの「死亡の塔」。エレベーターで下へまいります。007の秘密基地みたいな施設。大勢の戦闘員。警報に気付いた戦闘員がボビーに襲いかかりますが、次々に倒されます。「血の池地獄」みたいなのに蹴り落とされた奴がジタバタ溺れる。そして「塔の番人(ターザン男、怪僧)」が現れる・・・。「塔」というより「秘密基地」だった「死亡の塔」。どうやら悪人が昔話をヒントに作ったらしい。「塔」内部の描写がこの作品の怪しさをさらに盛り上げています。

日本版『死亡の塔』
本作の配給会社は東映。日本版主題歌「アローン・イン・ザ・ナイト」と日本版挿入歌「フォールン・ヒーローズ」(いずれもキース・モリソン作曲)が本編に挿入されています。オリジナル版では葬式みたいな音楽が延々と流れますが、日本版にはカッコいい曲。この作品のファンが日本に多いのは音楽が理由かも。銀座のクラブでチンクーの娘が歌うシーンでは奥村チヨ「気ままぐらしの女」が流れます。

韓国公開版『死亡の塔』
韓国版ではブルース・リーの映像がすべてカットされ、「タン・ロン主演作」になっています。国際版・香港版には無いシーンもあり、「タン・ロンが戦闘員にヌンチャクを投げつけるシーン」が有名。音楽にも違い。日本版で「気ままぐらしの女」が流れるシーンでは騒々しい曲になっています。

エピソード
ブルース・リーの役名が「ビリー・ロー」。『死亡遊戯』と同じ。これは『死亡遊戯』の続編として企画されたため。しかし結果的に『死亡遊戯』とは全くつながりも関係もないストーリーに。英語版のタイトル(Game of Death II)は訳すと『死亡遊戯II』で、関係があるような感じになっていますが、それは興行的な理由から名付けられたのだと思われます。

(予告編:YouTube

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