なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:『ドランクマスター 酒仙拳』(1979年:ロン・シージャー、サイモン・リー)

「なつかしの香港映画ブログ」マヌケな二人組が酔拳の師匠に鍛えられて悪の地主と対決するカンフー映画。二人組のキャラ&恋愛、何かと邪悪な悪党に注目です。

1.ストーリー
どんくさい泥棒二人組が酔拳の達人に捕らえられて・・・。

2.キャスト
ロン・シージャー(泥棒)
サイモン・リー(泥棒)
チェン・ウェイロー(酔拳の達人)
ロン・フェイ(悪の地主)
ユエン・シャオ・ティエン(酔拳の達人)

3.注目のシーン
①三十年前
うさんくさい青年ファン(ロン・シージャー)とソカシ(サイモン・リー)。市場でブドウとミカンを売るが、互いにライバル視。お客を相手に取られまいと値下げして最後はタダで商品を配る(バカ)。その頃、ブドウ畑では作物が盗まれる被害。畑で働く男が二人を怪しむが、証拠が無い。夜にコッソリ畑に侵入するファンとソカシ(やっぱりコイツらが犯人だった)。酔拳の達人チャン(チェン・ウェイロー)に捕まり、働いて損害を返すことに。バカながら頑張る二人組。性格も悪くない。チャンを二人を見込んで酔拳を伝授する。

②悪役
酒造工場の土地を所有するイエ・フー(ロン・フェイ)。チャンの弟子(ファンとソカシ)に家宝の盃を壊されたから、自分の屋敷を建てたいから、という理由で酒造工場に急な立ち退き、およびチャンの引き渡しを要求。それを拒否した工場主らに暴行。チャン、ファン、ソカシ、女性作業員ユールー(ジャニー・チャン)の4人がイエ・フー軍団に対抗。イエ・フーと部下チン(ロン・ティエンション)は腕が立ち、手下どもは弓矢を使って闇討ちする厄介な連中。占い師みたいな奴もいる。

③現在
イエ・フーと戦った後、別々の道に進んだファン&ソカシ。三十年後に懐かしの再会。しかし、ファンには敵が多く、行く先々でチャレンジャーが待ち構える。どうやら平穏に暮らせる日は来ないようだ。

④カンフー
冒頭に『ドランクモンキー 酔拳』でおなじみユエン・シャオ・ティエンが登場し、酔拳の型を披露(特別出演)。チャン師匠は酔拳、ファン&ソカシはタッグで戦うタイプ(カンフー版「藤波辰己&木村健吾」)、イエ・フーは腕っぷしが強いタイプ(太めの木材を軽くへし折る)。

4.感想
カンフー映画の佳作。日本では有名でない人たち(?)が出演。しかしながら、映画ファンにはあまり評判がよろしくないようです。ユエン・シャオティエンが冒頭にちょこっとしか出演していないのが不満なのだとか。また、主人公がジャッキー・チェンと比べてやや地味なキャラなのもマイナスらしい。「ファン」を演じたロン・シージャーは若い頃の宮内洋の雰囲気。ソカシ役のサイモン・リーはアイドル系の顔立ち。決してダメな役者ではありません。内容はカンフー映画の王道。へなちょこな奴が修行。あっという間に強くなる。危険な敵と命懸けで対決。合間合間にベタな笑いのシーン。悪役は人相が悪い。個人的にはヒロイン「ユールー」を演じたジャニー・チャンに注目(なかなかの美人さん)。『酔拳』と言えば「蘇化子(ソカシ)」ですが、この『ドランクマスター 酒仙拳』はその相棒だった范大杯(ファン・ダーペイ)がどちらかというと主役。チャン師匠から酔拳を習って以来、戦い続けるファンの人生に注目されたい。見所は、冒頭のユエン・シャオティエン、盗品を売って捕まるファン&ソカシのマヌケっぷり、つまらんことでケンカ、「ショバ代」を要求するチン、カンフーの修行(重いおもりなどを使う。キツい修行をサボろうとするのもカンフー映画ではおなじみ)、チャンにワナを仕掛けるイエ・フー&チン、工場での悲劇、山での決闘、三十年後の懐かしい再会、ファンを追ってきたチャレンジャー。ツッコミどころやベタな展開がありますが、見せ場がキッチリ入った映画です。

チェン・ウェイロー:『クレージーモンキー 笑拳』ではジャッキー・チェンに「笑拳」を伝授する役だった。

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