「なつかしの香港映画ブログ」北宋の青年が金国から御印を奪取し、少林寺を争いに巻き込むカンフー映画。主人公、悪役、洞窟の酔っぱらいといったキャラに注目です。
1.ストーリー
1126年、北宋と金国が争う時代。「御印」をめぐって両派が争い、北宋の青年が金国から御印を奪取。負傷した青年を女性、そして少林寺が保護したことによって少林寺は金国から圧力を掛けられる。
2.キャスト
チャン・キンチョン(北宋の青年)
シュン・ハイロン(北宋派の娘)
ジア・ホイ(洞窟の酔っぱらい)
ルン・クーンモウ(少林寺の大師)
アラン・シュー(金国)
3.注目のシーン
①主役
舞台は1126年。北宋と金国の時代。「御印」を所持する金国(「御印」とは「皇位を象徴する印鑑」のこと。どうやらこれを持つ者が「正統な皇帝」ということらしい)。北宋の青年、萬雲龍(チャン・キンチョン)が金国の楚猛(アラン・シュー)を仲間と共に襲撃し、「御印」を奪取。しかし、仲間は全て殺され、自身も重傷。死にかけていたところ町の娘、白姑娘(シュン・ハイロン)に助けられる。そして少林寺に保護され、カンフーを学ぶ決意。
②悪役
戦乱の時代、ということで北宋と金国のどちらが正しいとは言えない状況。しかし、金国が残酷かつ横暴なところがあるため、映画的には金国が悪者。「御印」を奪った萬雲龍を保護する少林寺に圧力を掛ける金国の楚猛(白い尻尾みたいなのを帽子の横に着けている。悪役ながら「カワイイ女子」みたいな格好で、思わず笑ってしまう)。大勢の軍勢で少林寺になだれ込む。
③キャラ
萬雲龍はシリアスな役どころ。しかし、少林寺での修行でインチキして次のレベルに進もうとするなどちょいと妙なところがある奴。少林寺の方丈大師(ルン・クーンモウ)は「寺は争いごとに荷担しない」という基本を貫こうとするが、最後はキレる。少林寺の洞窟で謹慎させられている酔っぱらい男、瘋師父(ジア・ホイ)はカンフーの達人。実力は方丈大師と同じくらいで、萬雲龍は弟子入りしようと洞窟へ。萬雲龍を助ける白姑娘は助けたことによって悲しいことの連続。涙が止まらない様子。他、少林寺の十三棍僧(しかし、今はメンバーが欠けて12人)、楚猛の手下、北宋の将軍、白姑娘の家族ら。
4.感想
このブログは「なつかしの香港映画ブログ」なのですが、『疾風!! 少林寺十三拳士』は台湾の作品。かつてはロケーションの関係で台湾や韓国で撮影されることが多かった香港映画。香港スターが出ている、ということで台湾カンフー映画も紹介しています。この映画の出演者は(個人的に)知らない人ばかり。武術指導としてフォン・ハックオン(悪役でおなじみ。香港の蟹江敬三)が参加しているとか。昔、レンタル店にはよくわからんカンフー映画ビデオが置いてありまして、「知っているスターが出ていない作品は取り敢えず保留」といった感じでレンタルしませんでした(金銭的な理由も。当時、レンタル代は高めだった)。この『疾風!! 少林寺十三拳士』はそんな作品の一つだったような気がします(このビデオが店に置いてあったかどうかはハッキリしませんが)。内容は正統派でシリアス。戦乱の時代。少林寺は結構な戦力を持つ、ということで金国は少林寺を味方につけようとしますが、少林寺は「中立」の立場。しかし、萬雲龍を保護して金国を敵に回す結果に。その結末は? 見所は、難しい立場に追い込まれる少林寺、「御印」をめぐる戦い、「少林寺 vs. 楚猛の手下」、瘋師父の腕前(カンフーの動きをしながら酒を作る、など)、萬雲龍の修行(出家して「塵海」に改名)、白姑娘のピンチ&救出に向かう塵海(萬雲龍)、町での「少林寺 vs. 楚猛の手下」(油に放火)、洞窟で特訓、裏切り&助っ人、少林寺での決着戦。笑いのシーンが少な目で、華やかさに欠ける映画。ただ、アクションはキレがあって良かった。マイナーすぎるためかDVD化されていないのが残念なところです。
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