なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:日本未公開カンフー映画特集(カサノバ・ウォン、ウォン・チェンリー)

「なつかしの香港映画ブログ」。テコンドー系カンフースターの主演作。「Lone Shaolin Avenger」「Hard Bastard」の見所を紹介します。

香港・台湾で制作されたカンフー映画は数知れず。そのうち日本で公開されたり、ソフト発売されたのはごく僅か。「YouTube」にはそんな作品が多数アップされています。カサノバ・ウォン、ウォン・チェンリーの二作を紹介。いすれも日本語字幕が無いものを鑑賞(残念ながら言葉がわからないため、英文で書かれた情報などを元にこの記事を書いています。画像は「YouTube」より)。

「Lone Shaolin Avenger」(1977)

あらすじ
両親を殺された男(カサノバ・ウォン)が復讐を誓うが逆にボロボロにやられ、鍛え直す。

キャスト
カサノバ・ウォン

ストーリー
子供の頃に両親を殺された男(カサノバ・ウォン)が復讐を誓う。ところがボロボロにやられてしまう。さらに鍛え直して復讐しようとする。敵は「四天王みたいな連中」と「ボス(キラーカーンっぽい奴。刃物が仕込んである「輪」が武器)」。ろうそくの炎で修行したり、婚約者が悪党に捕まってしまったり、複数の敵に囲まれて危険な武器で傷つけられたりしながら、最後は四天王、ボスと決着戦。

コメント
「Big Boss 2」というタイトルもある映画(ブルース・リードラゴン危機一発』(英題: The Big Boss)とはちょっとも関係ない作品)。主役はカサノバ・ウォン(ブルース・リー『死亡の塔』でおなじみ)。それ以外は知らない人ばっかり。ストーリーはシンプルな「復讐モノ」。キックが得意な彼らしいアクションが見られ、内容もシリアスですが、妙なシーンがいろいろあって笑ってしまう。まず「カサノバ・ウォン」という男。どう見ても「明石家さんま」(それは仕方がない)。しかし演出の面でも妙なシーンが。ラスボスとの戦いで火鉢をぶつけるシーン。火鉢がスーっと飛んでラスボスの顔面にヒット。火鉢を頭にかぶって苦しむラスボス(とってもマヌケなシーンだった)。水の中に落ちるカサノバ。ピョーンとジャンプしてそこから脱出。たぶんワイヤーアクションだと思うんですが、動きがヘンなので思わず笑ってしまう。カサノバの蹴りを食らう敵が蹴られるたびに地面にメリ込んでいく珍シーン。他にも思わず笑ってしまう面白シーンがいっぱい。「個性的な映画にしたい」と監督は考えたに違いない(違うかも)。シリアスな復讐劇に「笑い」が入った珍作。マジメに観るべきか、ツッコミながら観るべきか。二回観るのがいいのかも。
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「Hard Bastard」(1981)

あらすじ
大道芸人が地元のギャングとトラブルに。

キャスト
ウォン・チェンリー

ストーリー
ウォン・チェンリーと二人の男女の三人が路上でパフォーマンスをして稼ぐ。そこへ地元のヘンな集団がやってきてトラブル。ウォン・チェンリーが得意のキックでそいつらを蹴散らしたり、クラブのホステスと仲良くなったり。

コメント
『スネーキーモンキー蛇拳』『ドランクモンキー酔拳』でジャッキー・チェンと共演したウォン・チェンリー(コチラも『死亡の塔』でおなじみ)。テコンドーの達人で、凄まじいキックを使う男。しかし、悪役顔なのでいつも悪役。最後は情けないやられ方をすることが多い役者。そんな彼が珍しく「悪役じゃない役」で登場。しかも主演。「主役は観客を喜ばさないといけない」と考えたのか、変顔をしたり、マヌケな変装をしたり、フライパンで頭をドツかれたりする「笑いのシーン」を入れています。大概はヒゲ面で出演する人なのですが、今回はヒゲを剃ってスッキリした感じに。その髪型もあって、どことなくユン・ピョウに似ている印象(特に目元)。キャストはウォン・チェンリー以外は知らない人ばかり(個人的に)。カンフーシーン、二人のヒロイン(ホステス役の美女、カンフー使いの相棒)、何とか笑いを取ろうと頑張るウォン・チェンリー、が見せ場の珍作映画。マイナーすぎる作品ですが、実に面白かった。

(予告編)『ブルース・リー 死亡の塔』