なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:日本未公開カンフー映画特集(ブルース・リ①)

「なつかしの香港映画ブログ」ブルース・リ(「ブルース・リーになりたかった男」)の珍作。「Bruce's Deadly Fingers」「Bruce And Shaolin Kung Fu」の見所を紹介します。

香港・台湾で制作されたカンフー映画は数知れず。そのうち日本で公開されたり、ソフト発売されたのはごく僅か。「YouTube」にはそんな作品が多数アップされています。ブルース・リの二作を紹介。いすれも日本語字幕が無いものを鑑賞(残念ながら言葉がわからないため、英文で書かれた情報などを元にこの記事を書いています。画像は「YouTube」より)。

「Bruce's Deadly Fingers」(1976)

ストーリー
若き格闘家が誘拐された女性の救出に向かう。

キャスト
ブルース・リ(Bruce Le)
ノラ・ミャオ
チウ・チーリン
チャーリー・チャン
ヤン・スエ
ロー・リエ

コメント
いわゆる「Brucesploitation」映画。ブルース・リーの(似てない)ソックリさんとして有名なブルース・リ(「ブルース・リー」ではなくて「リ」。「Bruce Lee」ではなくて「Bruce Le」。「e」が一つ少ない。間寛平な顔立ちのリ。名前はマネできても顔はそうはいかん)がリーのモノマネをしながら戦うカンフー作品(漢字では「龍拳精武指」と呼ばれる作品)。ニセモノ主演作のくせに(?)キャストがエラい豪華な作品。ノラ・ミャオ(『ドラゴンへの道』)、ヤン・スエ(『燃えよドラゴン』)など、リーと縁があった人たちが登場。元彼女(ノラ・ミャオ)が悪党グループに誘拐されて、ブルース・リが救出に向かう。一回目は逆に捕まって逆さ吊りにされたりしますが、「精武指」というカンフーの教本を手に入れたリが修行して、悪ボス(ロー・リエ)と戦う内容。格闘シーンが多い。ストーリーはイマイチよくわかりません。主役が二人。ブルース・リとチャーリー・チャン(『ドラゴンロード』『プロジェクトA2 史上最大の標的』ほか)。この二人が悪役たちと戦うのですが、共闘しているワケではなさそう。格闘シーンも別々。まるで違う映画をくっつけて一本の作品にしたような感じ。リがヌンチャクを使って戦ったり、大勢の敵をバッタバッタと倒していったり、急所を突く修行をしたり、ラスボスのロー・リエと戦ったりするシーンが見せ場。チャーリー・チャンはヤン・スエと戦うシーンが見せ場。ノラ・ミャオさんは敵に捕まって縛られてしまうシーンを熱演。有名な人が他にも。『燃えよドラゴン』でリーの父役(?)だったオジサン、『ドランクモンキー酔拳』で「意地悪道場主」役だったフォン・ギンマン。『五福星』『ファースト・ミッション』でおなじみのチウ・チーリンは気合いを入れてカンフーの型をデモンストレーション(そのカンフーで活躍するのかと思ったら、敵にアッサリやられてしまった)。ヤン・スエは最後の方で突然登場(でも結局倒される。いつもやられ役。たまには勝たせてあげて欲しい)。ロー・リエ演じる悪ボス(スゴイ貫禄)。そばには浅丘ルリ子っぽい派手な顔立ちの女(「香港の浅丘ルリ子」と呼ばれているかもしれない)。ブルース・リがブルース・リーのマネをしながら敵と戦うシーン、豪華キャストが見せ場の映画です。
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「Bruce And Shaolin Kung Fu」(1977)

あらすじ
カンフー使いの男女が日本軍と対決する。

キャスト
ブルース・リ
ヤン・スエ
Chiang Tao(江島)

ストーリー
戦時中、日本は中国人がカンフーで団結して抵抗するのを警戒。日本軍の将軍が中国人の道場を乗っ取ろうとする。兄(ブルース・リーのこと?)を殺されたことを知ったチェン・ロン(ブルース・リ)は日本に復讐を誓う。日本人の嫌がらせに抵抗。将軍の息子と戦う。日本はチェンを始末するため、5人の日本人格闘家(ヤン・スエ、江島ら)を差し向ける。チェンは師匠の娘(?)と共に敵と戦う。

コメント
『ドラゴン怒りの鉄拳』ですっかりおなじみになった「悪の日本 vs. 抵抗する中国人」モノ作品。戦時中の悪い日本人が中国人を痛めつける作品(このパターンの映画ってどのくらいあるんだろう? ナチスドイツとか日本軍とかっていうのは「わかりやすい悪役」で、使い道が多い)。戦いのシーンに注目の内容。タイトルは「Bruce And Shaolin Kung Fu」。でも少林寺なんて出てきませんでしたよ(たぶん「少林派カンフー」という意味ではないかと)。どこかで観たことがあるシーンもあります(人間の急所のポイントを印した人形の前でリがカンフーの型を披露するシーン。たぶん、この映画で撮られたシーンが他の作品に流用されたに違いない)。「ブルース・リ作品」御用達の江島ヤン・スエが出てます。江島はそれほど強くない。ヤン・スエは日本人役で妙なカンフーの構えをしながら戦う(でもやっぱり「やられ役」)。ブルース・リがカッコ良く戦う姿を見せる映画であるため、敵役はたいしたことありません(リにやられるくらいだもの)。一番面白いのがラストに出てくる二人組。妙な合体技でリを襲う。真顔でヘンな動き。ラストバトルなのに笑ってしまうシーン。こういうカンフー映画はストーリーよりもアクションがとても大事だと思うのですが、イマイチな戦いが多い。リよりも女カンフー使いの方がカッコよかったかも。言葉が分かればもっと面白いかもしれない映画(なんと続編も制作されました)。いつか日本語字幕つきDVDで観たいものです。