なつかしの香港映画ブログ

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なつかし香港映画:日本未公開カンフー映画特集(ブルース・リ④)

日本未公開カンフー映画特集「なつかしの香港映画ブログ」ブルース・リ(「ブルース・リー」じゃないです)の珍作。「Bruce's Fist of Vengeance」「The Young Bruce Lee」の見所を紹介します。

香港・台湾で制作されたカンフー映画は数知れず。そのうち日本で公開されたり、ソフト発売されたのはごく僅か。「YouTube」にはそんな作品が多数アップされています。ブルース・リの二作を紹介。いすれも日本語字幕が無いものを鑑賞(残念ながら言葉がわからないため、英文で書かれた情報などを元にこの記事を書いています。画像は「YouTube」より)。

「Bruce's Fist of Vengeance」(1980)

(あらすじ)
カンフー使いの男が「ブルース・リーが残したカンフーの指南書」で修行して邪悪な敵と戦う。

(キャスト)
Bruce Le(ピーター)
Romano Kristoff(ミゲル)
Jack Lee(ジャック)
Carla Reynolds(ミリアム)
Ken Watanabe(サムライ)

(ストーリー)
ブルース・リーが残した格闘技書を持つジャック(ジャック・リー)。カンフー道場の師範をしている友人ピーター(ブルース・リ)の格闘技大会に出場するため本を持って香港へ。大会でミゲルという西洋人(ロマノ・クリストフ)に敗北したピーターはその本を読んで修行し直す。その本を入手したいミゲル。荒っぽい連中を送り込んだり、ピーターの彼女ミリアム(カーラ・レイノルズ)を誘拐して本との交換を要求したり・・・。

(コメント)
いわゆる「Bruceploitation映画」(リーのモノマネをする映画)。ブルース・リーが残した格闘技書をめぐって格闘家が争う内容。「ブルース・リーのソックリさん俳優」のブルース・リが『ドラゴン怒りの鉄拳』などを意識した戦いを見せる。ミゲルという悪役は結構ヒドいことをする(ジャックやミリアムをさらったり。目的のためなら手段を選ばないタイプ)。ミゲルの手下役で「Ken Watanabe」が登場(刀で素手のリを襲う役どころ)。あの『ラスト サムライ』(2003年)の? いいえ、別人だと思います。アップで顔が映ったとき、「誰やねん、コレ?」って思ったぐらいですから。ブルース・リという男は本当にブルース・リーが好きなんでしょうね。ミゲルの手下と戦うシーンは『ドラゴンへの道』『ドラゴン怒りの鉄拳』『燃えよドラゴン』っぽいし、ミゲルとのラストバトルでは『ドラゴン危機一発』のような場所で『死亡遊戯』みたいにヌンチャクで戦う。「ブルース・リーの本」を読めば強い相手も倒すことができる、というファンタジー映画(ジャッキー・チェンの『カンニングモンキー天中拳』もそんな感じだった)。リがリーのマネしながら戦うシーン、ちょいちょい挿入されるリーの顔写真(肖像権は?)、マヌケな格好で拘束されるジャック、「世界のKen Watanabe」とリの対決、女同士のカンフー対決(短いけど)に注目。知らない人ばかりが出てくる作品ですが格闘シーンが多くて面白かったです。
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「The Young Bruce Lee」(1980)

(ストーリー)
闘いに明け暮れたブルース・リーの若き日々。

(キャスト)
ブルース・リ
ヤン・スエ
フォン・ハックオン
フォン・ギンマン
シー・キエン
その他、どこかで見たことがある人たち

(コメント)
若き日のブルース・リーの(本当にあったかどうかわからない)エピソードを再現したカンフー映画。シー・キエン、「香港の蟹江敬三」フォン・ハックオンといった有名俳優が登場する力作。「ブルース・リーの人生を再現した映画」にはホー・チョンドーの『ブルース・リー物語』なんてのもありましたが、コレもまたその一つ。ユニークなのが「若い頃のエピソード」のみ、という点。アメリカに行く前にこんなことがありました、って感じでストーリーが進みます。ケンカばっかりのリー(ブルース・リ)。ホントにこんなことあったの? とツッコミたくなるようなシーンが次々と。路上でケンカ。学校でもトラブル(教師からケツを叩かれる制裁)。葉問先生(フォン・ギンマン:マージャンする役、怒ってるオッチャンの役が多いギンマンさん。今作では珍しくちょっとしたアクションシーンもあります)とトレーニング。盲人に負ける。蟹江(フォン・ハックオン)にもやられる。そこで、別の名人から技を習い、コブラを相手に蛇拳の練習。酔拳蛇拳を組み合わせたカンフーを開発。ヤン・スエと戦い(またしても「やられ役」のヤン・スエさん。悪役だからしょうがない)、蟹江に雪辱し、最後はシー・キエンと勝負。ブルース・リって人はホントにブルース・リーが大好きなんですね。『燃えよドラゴン』ばりにラストバトルの相手はシー・キエン。リーが蛇拳を修得する中盤以降が面白い。シー・キエンがカンフーしたり、剣術・棒術を若手に指導したり、寝グセのまま出演していたり。「ブルース・リ vs. シー・キエン、フォン・ハックオン、ヤン・スエ」に特に注目。いつか日本語字幕つきDVDで観たいものです。

(予告編)『燃えよドラゴン

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