なつかし香港映画：『ファースト・ミッション』（1985年）「主な出演者」と「注目ポイント」

「なつかしの香港映画ブログ」兄デブゴン（サモ・ハン・キンポー）と暮らす刑事のジャッキー（ジャッキー・チェン）が宝石窃盗団と対決するアクション・コメディ映画。危険なスタント、カーチェイス、兄弟の会話、美人のヒロイン、ラストの対決、が見せ場の名作です。

f:id:wcwgold:20200225102653j:plain — 『ファースト・ミッション』

１．ジャッキー（ジャッキー・チェン）
香港警察特捜隊の刑事。兄と同居。船乗りになるのが夢。度胸がある男だが、兄や恋人のことで悩む。
（いわゆる「香港ビッグスリー（ジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウ）」。彼らが共演した『プロジェクトA』『スパルタンX』『サイクロンZ』がオススメ）

２．デブゴン（サモ・ハン・キンポー）
ジャッキーの兄。知能に問題がある。遊び相手は近所の子供たち。レストランで凍ってしまうなど、トラブル多し。
（「香港ビッグスリー」のリーダー。元々はシリアスなキャラを演じていたが、コメディアクション路線で人気者に。『五福星』『燃えよデブゴン』ほか）

３．特警隊指揮官（ラム・チェンイン）
ジャッキーら若手を鍛える教官。スゴい眉毛。かなりの凄腕。
（脇役が多いが『霊幻道士』シリーズでは主役を務めた。ブルース・リー作品にも出演）

４．ジェニー（エミリー・チュウ）
ジャッキーの恋人。ウェイトレス。バーに勤めていたが「ジャッキーがイヤがるから辞めた」とのこと。
（美人女優。薄幸な役で真価を発揮。『男たちの挽歌』ほか）

５．特警隊隊員（ユン・ワー）
ジャッキーの同僚であり、腕も立つ、良き理解者。
（ジャッキーとは子供の頃からの仲間。『サイクロンZ』ではユーモラスな悪ボス、『ポリス・ストーリー3』では犯罪組織の悪ボスの右腕を演じた。『カンフーハッスル』では主役級）

６．カム（ジェームズ・ティエン）
宝石窃盗団のボス。なかなかの貫禄。しかし格闘には強くない。
（『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』『カンニング・モンキー　天中拳』『拳精』『五福星』などブルース・リー、ジャッキー映画でおなじみ。「ズルいことをする男」を演じることが多い）

７．殺し屋（ディック・ウェイ）
カムの部下。荒っぽい仕事を請け負う男。コーを始末しようとするシーン、ジャッキーと一騎打ちするシーンに注目。
（悪役での出演が多い。『プロジェクトA』では海賊の親分、『チャンピオン鷹』ではサッカー界の悪の帝王を演じた）

８．コー（チュン・ファット）
カムの部下。宝石をちょろまかしたと誤解され、命を狙われる。
（サモ・ハン映画の常連。『五福星』シリーズなど悪役を演じることが多いが、『新・ポリス・ストーリー POM POM』ではよくしゃべる明るい刑事役だった）

９．チンピラ（チウ・チーリン）
ジャッキーと駐車場でケンカするチンピラグループの一人。派手な構えで相手を威圧。チンピラグループには他にフォン・ハックオン、リー・ホイサン、『ドランクモンキー酔拳』の鉄頭の男など。
（『スネーキーモンキー蛇拳』『ブルース・リー物語』『五福星』『カンフーハッスル』など。）

10．家庭教師（アンソニー・チェン）
とても意地が悪いデブゴンの家庭教師。「簡単な英単語」を教えるだけで一時間50ドルの授業料。競馬で遊ぶ資金が欲しいため仕方ナシに家庭教師をやっているらしい。
（香港のビートルズ「WYNNERS」のメンバー。『霊幻道士完結篇最後の霊戦』では主役を演じた。『七福星』でのツアーガイド役も印象的）

①コメント
不朽の名作。アクション、コメディ、ドラマを見せる内容。テーマ曲（オープニングテーマ「CHINA BLUE」、エンディングテーマ「TOKYO SATURDAY NIGHT」）も名曲。出演者は上記以外にも、病院でジャッキーを襲う男（ラウ・カーウィン）、へらず口（デブゴンの遊び相手の兄。町をぶらぶらしているナマイキなチンピラ。宝石窃盗団がなくしたブツを手に入れて調子に乗る：タイ・ポー。「ジャッキー映画」でおなじみ。『プロジェクトA』ではドジながらも頑張る役を好演）、食堂店主（ウー・マ）、ユン・ピョウ（エンディングのみ）、他が登場する「香港オールスター作品」。キャラが充実（ユン・ピョウには本編にも出て欲しかった）。個人的には「ジェニー」役のエミリー・チュウがオススメ（ジミー・ウォングの推薦で出演することになったとか。どういう関係？）。アクションシーンは危険なスタントが多い（火薬の量が多すぎて事故発生）。「ドラマ」という点ではジャッキーの最高傑作かもしれない名作。二枚組DVDにはブルーレイには入っていない特典映像が充実。名シーンがいっぱいのオススメ作品です。

②ちょっとした情報
なかなかの名作。しかし、混乱の中、制作されたことで有名。松竹富士の出資金で制作されたが、香港の撮影現場ではストーリー自体が変更されたり、本来『ポリス・ストーリー/香港国際警察』用に撮影されたアクションシーンが本作に転用されたり。監督はサモ・ハン・キンポー。しかし、実際はウー・マが現場を仕切ったという。さらにバージョンが二種類。香港公開版と日本公開版。香港公開版では格闘シーンが少なく、日本公開版では病院と駐車場での格闘シーンが追加された。

（注目ポイント）手榴弾やマシンガンで戦う戦闘訓練、病院での戦い、チンピラグループとのケンカ、友達とレストランに行くデブゴン、イヤミな家庭教師の授業、仕事を探そうとするデブゴンと意地の悪い喫茶店の店主（ウー・マ）、チュン・ファットが二階から落下するシーン、窃盗団の人質になるデブゴン、カーアクション、「ジャッキーと仲間 vs. 窃盗団」、ラストの名曲「TOKYO SATURDAY NIGHT」とユン・ピョウ。

「Fortune Star Media」が提供する予告編（YouTube）

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