なつかしの香港映画ブログ

香港映画の見所を紹介するブログ。リンクも楽しめます

なつかし香港映画:日本未公開カンフー映画特集(ドラゴン・リー③)

「なつかしの香港映画ブログ」ドラゴン・リー(濃い顔立ちの偽ブルース・リー)の珍作。「The Dragon, the Hero」「Martial Monks of Shaolin Temple」の見所を紹介します。

香港・台湾で制作されたカンフー映画は数知れず。そのうち日本で公開されたり、ソフト発売されたのはごく僅か。「YouTube」にはそんな作品が多数アップされています。ドラゴン・リーの二作を紹介。いすれも日本語字幕が無いものを鑑賞(残念ながら言葉がわからないため、英文で書かれた情報などを元にこの記事を書いています。画像は「YouTube」より)。

「The Dragon, the Hero」 (1979)

あらすじ
三人の格闘家が骨董品の密輸グループのボスと戦う。

キャスト
Liu Chung-Liang(若いカンフー使い)
Tino Wong Cheung(若いカンフー使い)
Philip Ko(悪役)
Dragon Lee(ドラゴン・リー)
Chiang Kam(太っちょ)

ストーリー
親友が仲間割れし、20年後その息子たちが協力して共通の敵と戦う。

コメント
いわゆる「Bruceploitation」映画(リーのモノマネをする映画)。『ドランクモンキー 酔拳』に出演しているTino Wong Cheung(『酔拳』でジャッキーにぶっ飛ばされるカンフー道場の息子役の人)、Chiang Kam(ジャン・ジン。ふとっちょ)が登場する映画。『酔拳』は1978年の映画。この映画『The Dragon, the Hero』は1979年。たぶん『酔拳』をちょいとパクって制作されたのだと思われます。汚い格好した「蘇化子」みたいな奴、「鉄心(ウォン・チェン・リー)」の「無影拳」を使う男(Liu Chung-Liang)、食堂の出っ歯男が出てきたりしますんで。ドラゴン・リーはいつものようにあの自信タップリな表情で敵を軽く倒す。悪役が二人。『ファーストミッション』でおなじみのフィリップ・コウ。もう一人が顔色が悪いヘンな奴(骨董品の密輸グループ、だとか)。Tino Wong Cheung、Liu Chung-Liang、ドラゴン・リーが悪役を倒す映画。カンフーシーンが多い。アクション的には、素晴らしい蹴り技を見せてLiu Chung-Liangが戦うシーン、ドラゴン・リーがハーフヌンチャクや(暑苦しい動きの)カンフーで戦うシーンが見所。しかし何と言っても強烈なのはヘンな白い顔した悪役。車イスに乗ってるけど、立ち上がってカンフーを使う。奇妙な動き、表情、奇行。このヘンな奴とドラゴン・リーが戦うシーンはカンフー映画史に残る珍シーン(かもしれない)。ジャッキー映画でおなじみのマースがやられ役でチョイ役出演。『燃えよドラゴン』の「ボロ」ことヤン・スエが最初の方に登場(恥ずかしいヘンな動きで戦う。しかもやられ役)。アクション、珍キャラに注目の内容です。
-----------------
「Martial Monks of Shaolin Temple」 (1983)

あらすじ
強烈なキックを使う悪党と少林寺が抗争。

キャスト
ドラゴン・リー
ウォン・チェンリー

ストーリー
(なぜだかわかりませんが)少林寺の高僧を襲う悪党(ウォン・チェンリー)。復讐を誓う少林寺の者たち。ドラゴン・リー演じる青年もまたその一人。悪党を捜す道中で二人の男女と知り合う。ザコに襲われたり、悪党と対決して靴の裏をナメさせられたり、その女性に助けられて鍛え直したり。そして再戦。

コメント
『ドランクモンキー酔拳』『死亡の塔』のウォン・チェンリー(テコンドー系のキックを使う男)が悪役を演じる映画。ストーリーはシンプルなので個性的な楽しいシーンがチョイチョイ挿入されています。マヌケなヒゲの奴が出てきたり、ドラゴン・リーがモコモコした体&ドヤ顔で蟷螂拳を使ったり、ヘンな見せ物で稼ごうとするシーンがあったり、カンフー映画でおなじみの「メシの取り合い」をしたり。ラストのウォン・チェンリーとドラゴン・リーの対決でもウォン・チェンリーが樽の中に「スポン」とハマるマヌケなシーンが。素手のウォン・チェンリーにヤリやヌンチャクを使ったり、二人がかりで襲ったりするなど(ちょいと卑怯な手で)ドラゴン・リーさんが熱闘。悪役の一人は「ドラゴン・リー作品」でよく見かける男(「裏切り坊主」の役で登場)。ヒロインはたくましそうな美人さん。ウォン・チェンリーの蹴り技、ドラゴン・リーのカンフー、ヒロイン、コメディな演出が光る傑作。いつか(特典映像満載で)日本語字幕つきDVDがリリースされたらいいな。

YouTube)『ドランクモンキー酔拳』「予告編」