「なつかしの香港映画ブログ」ジャッキー演じる少林寺の寺男が「五獣拳」をマスターし、野望を持つ男と対決するカンフー映画（1978年公開）。YouTubeにアップされた予告編を解説します。
（YouTube）予告編
予告編の内容（画像は全て予告編から）
（Spiritual Kung-Fu）
１．コメディ
ロー・ウェイ監督作。『カンニング・モンキー/天中拳』を試写して激怒したロー。ジャッキーを「シリアス路線」で売り出そうとしているローはコメディタッチのこの作品に大いに不満。ところが『スネーキーモンキー 蛇拳』が大ヒット。ジャッキーのコミカルなキャラが人気化。それを受けてローが「コメディ映画の手本を見せちゃる」とばかりに制作したのがこの『拳精』。戦い、ユーモラスな妖精、少林寺の僧たちが見せ場。ローが好きではないジャッキーはこの映画を今日でも嫌っているようだが、その内容はいかに。
２．寺男
少林寺の寺男イーロン（ジャッキー・チェン）。「寺男」とは寺院で雑役をする係のことだが、イーロンはいつも何かをやらかしては罰を与えられているイタズラ者。しかし、ちっとも反省しない困った奴。田んぼで捕まえた獲物をなぜかズボンの中に入れてパニック。自分で自分を困らせるマヌケなキャラ。
３．混乱
少林寺に賊が侵入。かなりの凄腕で、「七殺拳」の秘伝書を盗む。イーロンもアッサリ気絶させられてしまう。
４．怪奇現象
隕石落下の衝撃で「化け物」が出没するようになった少林寺。ビビリまくる僧侶たち。
５．度胸
「化け物」を怖がらないイーロン。むしろ「同類」といった感じで「化け物」と仲良しに。「化け物」の正体は「五獣拳の精（龍の拳は神精、蛇の拳は心、虎の拳は力、鶴の拳は意識、豹の拳は勢い）」。しゃべることができないため、ゼスチャーでイーロンとコミュニケーション。
６．ゲスト
イーロンと同じ寺男の役でディーン・セキが登場。「五獣拳の精（拳精）」におちょくられる僧（リー・クン）を見て、卒倒する役どころ。出番は少ないが、おなじみの「変顔」を披露。
７．上達
拳精に頭を下げて、カンフーを教えてもらうイーロン。全くのド素人だったイーロンがあっという間にカンフーの達人に（カンフー映画あるある。「○拳」をマスターすれば達人になれて、強敵と五分に戦えるというファンタジー）。
８．女の子
少林寺の外に出たことがないため、女性を見たことがないイーロン。ヘンなことを言って、女の子（ウー・ウェンシウ）を怒らせてしまう。その子は「カンフー界の盟主」の娘で、カンフーができる。それを知ったイーロンは習ったばかりの五獣拳で彼女と勝負。
９．テスト
少林寺から逃亡した僧（リー・マンチン）を捕らえに行こうとするイーロン。その前に館長は「十八羅漢陣」とイーロンを対決させてイーロンの実力を試そうとする。カンフーの型は拳精から習ったイーロンだが、棒術の腕前の方はどうか？
10．野望
盗まれた「七殺拳」の秘伝書を父（少林寺に侵入した賊）から入手したルーツァオ（ジェームス・ティエン）。かつて「拳法界の主」になろうとして失敗した父は息子ルーツァオに夢を託し、ルーツァオは「七殺拳」で多くの武道家を始末。「主の座」に就くため、少林寺に乗り込む。そして「イーロン vs. ルーツァオ」の一騎打ちが始まる・・・。
（コメント）
白塗りの「五獣拳の精」が楽しい傑作。しかしながら、その演出が主役ジャッキーには不評。それはともかく、昭和世代の人だったらテレビの吹き替えで観た懐かしい思い出があるのではないでしょうか？ 全体的にファンタジーな内容。「五獣拳の精」は白塗りでヘンな奴ら。言葉はしゃべれませんけど、表情で笑わせてくれます。「七殺拳」という恐ろしい拳法があって、それをマスターしたら「拳法界の主」になることも可能だという。「七殺拳」に勝てるのは「五獣拳」のみであるが、「五獣拳」の教本は長年失われたまま、というのも面白い設定。イタズラばっかりのイーロン。偶然、ボロボロの「五獣拳」の教本を壁の隙間にあるのを発見。スゴイ拳法があるもんだ、ってな感じでトレーニングに励むイーロン。あっという間に強くなって女の子や「七殺拳」のルーツァオと対決。キャラ＆コメディの映画。盲目の副館長（威厳があって迫力）、リー・クン、ディーン・セキらが登場する楽しいシーン、本格的なカンフーでの格闘。見せ場がいっぱいのオススメ作品です。
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